井端、40歳サヨナラ打で巨人首位タイ!80年の王以来G3人目

[ 2015年6月4日 05:57 ]

<巨・オ>9回、サヨナラ打を放った井端は(中央)は高橋由(右から2人目)らナインから手荒い祝福を受ける

交流戦 巨人2―1オリックス

(6月3日 東京ドーム)
 巨人の井端弘和内野手(40)は3日、オリックス戦の同点で迎えた9回に中前適時打を放った。中日時代の12年6月11日の日本ハム戦(ナゴヤドーム)以来、自身3年ぶりのサヨナラ打。巨人で40代選手がサヨナラ打を放つのは80年の王貞治以来、史上3人目の快挙だ。ベテランの渋い活躍でチームは今季初のサヨナラ勝ち。DeNAと並んで5月4日以来のリーグ首位に躍り出た。

 打球が二遊間を抜けると、井端は両手を広げて一塁ベースを駆け抜けた。巨人移籍後初のサヨナラ打。片岡や長野からペットボトルに入った水やスポーツドリンクを容赦なくかけられ、体中をびしょびしょに濡らした。

 「(体が)臭いよ。バットに当てれば何とかなると思っていた。飛んだところが良かった。うれしいですね」

 研ぎ澄まされた嗅覚が勝った。同点の9回1死一、三塁。代打で向かった。その初球で一塁走者のアンダーソンが盗塁を決めて二、三塁になった。敬遠策もある場面で「ほぼ100%、変化球が来ると思った」。4球目まで直球が続いても「9―1で変化球。最後まで貫いた」。そして5球目。初球から待っていた決め球、137キロの真ん中低めフォークを打った。

 試合前練習が始まる1時間前。若手に交じり、巨人では初の早出特打を敢行した。開幕スタメンをつかむなど春先から好調だったが、交流戦では打率・182と低迷。「こう(すればいい)かなとつかめてきて、その感じをつかむためにやった」。修正したのは打席でのスタンスと、左足の踏み出し位置。ずれがあったストライクゾーンに「ずれがなくなった」とサヨナラ打につなげた。

 移籍2年目。昨オフには「こんなに走ったことないよ」と走り込み中心のメニューで体をいじめ抜いてキャンプインした。グラウンド外ではFA移籍の相川や堂上を食事に誘った。1年前は自分も同じ移籍組という境遇。一刻も早くチームに溶け込むために手助けしたかった。2年目の余裕から生まれた行動だった。

 9回、代打の場面でベンチに残っていた野手は井端を含めた4選手。攻守にわたる積極采配で接戦を制した原監督は「(井端が)最後のとりでという中で勝負にいった。よく打ってくれました」と称えた。DeNAに並び5月4日以来の首位。40代でのサヨナラ打は球団では80年の王以来、3人目の偉業となった。「勝つために仕事をするだけ」とさらりと言ってのける井端。こんなベテランもいるから、巨人は強い。

 ≪自身5本目の劇打≫ 井端(巨)がチーム今季初のサヨナラ打。自身サヨナラ安打は5本目で、14年の巨人移籍後は初めてになる。井端は40歳0カ月。巨人で40代打者のサヨナラ安打は57年10月17日広島戦で40歳6カ月の南村、80年8月14日中日戦で40歳2カ月の王が打って以来35年ぶり3度目。

 ▼巨人・亀井(3安打で9回はサヨナラの生還)最近あまり結果が出ていなくてチームに迷惑をかけ、ストレスがたまっていたので良かった。井端さんは本当にさすが。

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