マー君 びっくり!マウンド割れた…3A戦で苦笑い「初めてですね」

[ 2015年5月29日 05:30 ]

<ポータケット・スクラクトン>マウンドが地割れを起こし、土をよける田中

 マウンドが割れた!右手首の腱炎と右前腕部の張りで故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(26)が27日(日本時間28日)、傘下3Aスクラントンの一員としてポータケット戦に2度目のリハビリ登板。整備不良のマウンドに制球を乱し、3回で1本塁打を含む4安打3失点だった。それでも本人はメジャー復帰できる状態と強調。あとは首脳陣の判断待ちだが、6月2日(同3日)のマリナーズ戦での先発復帰が有力視される。

 田中の敵は、普段は対戦しないマイナーの打者だけではなかった。初めて訪れたレッドソックス傘下3Aポータケットのマッコイ・スタジアム。初回、軟弱なマウンドに制球を乱し、連打と四球でいきなり無死満塁のピンチを招いた。4番のブレンツを得意のスプリットで三振に斬ったが、ここで大きな土の塊がごっそりとはがれた。

 「初めてですね。あんなふうになったのは」と、戸惑いながらも投球を続行。しかし、5番打者に2球目を投げたところで「地面が動いて割れた」。たまらずジェスチャーで球審にマウンド整備を要求した。「グラウンドキーパーの方は“こんなの見たことない”と言っていましたけど、“自分たちでやったことやろ”とは思いました」。マイナーならではの洗礼。自ら土の塊をリヤカーに入れた田中は、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 マウンド整備のため試合は8分間の中断。再開後は左犠飛こそ許したが、続く6番打者は「前回よりはよかった」というスライダーで狙い通りの空振り三振に仕留めた。無死満塁のピンチで失点を最小限に食い止め、狙って2三振を奪う本番さながらの投球。「1失点で切り抜けられたことは、試合でやっていく中で非常に重要。三振を取れればいいな、というのはあった」とうなずいた。

 2回には、メジャーで対戦経験のあるブラッドリーにツーシームを右中間席へ運ばれた。だが、これは打者の反応を確かめるために、スプリットのサインにあえて首を振ったもの。「カットボールで空振りを取った残像が残っているかなと思ってツーシームを投げたけど、そこまで相手は何も考えていなかった」と気にした様子はなかった。最速は93マイル(約150キロ)を記録し、球威も十分。この日は65球の予定で、3回で62球を要して降板したのは反省材料だが「状態は特に悪いわけではなく、ちょっとしたところ」と修正可能とした。

 3回2安打無失点だった21日のダーラム戦に続き、3Aで2度のリハビリ登板を終えた田中は「下(マイナー)でこうやって投げているので、上(メジャー)で投げても問題はない」ときっぱり。28日(同29日)はニューヨークに戻って右腕の状態を確認し、29日(同30日)に西海岸に遠征中のチームに再合流する。そこで首脳陣と話し合い、今後の予定が決まる。

 次回がメジャー復帰となれば、6月2日のマリナーズ戦が有力。首位を走るチームに頼もしいエースが帰ってくる。

 ▼ヤ軍、ジョー・ジラルディ監督 田中の投球はキャッシュマンGMとテレビで見ていた。初回は少し苦しんでいたけど、そこまで大きなことではない。今後は何が正しいのかを考えないといけない。

 ▽マッコイ・スタジアム レッドソックス傘下3Aポータケットの本拠地球場。1942年開場で、92、99年に改修された。収容人員は1万31人。00年6月1日には、当時ポータケット所属の大家友和がシャーロット戦で完全試合を達成した。

 ≪日本では06年に≫マウンドの整備不良による中断は、日本でも、田中が楽天入りする前年の06年3月29日、フルスタ宮城(現コボスタ宮城)での楽天―オリックス戦であった。3回にオリックス・吉井が、先頭の草野に3球投げた時点で左足の着地点に異変を感じた。掘れたマウンドから「クレーベース」と呼ばれるレンガのような土の塊が露出。球場職員が塊を取り除き土入れする応急処置を施し、試合は8分間、中断した。

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