129球目に155キロ!藤浪“無尽蔵”10回零封自己最多タイ13K

[ 2015年5月28日 05:30 ]

<神・楽>延長11回2死一塁、サヨナラ2ランの福留に水をかける藤浪(左)

交流戦 阪神2-0楽天

(5月27日 甲子園)
 延長戦という未体験ゾーンに入っても、阪神・藤浪には打たれる気配がなかった。アマ時代を含む野球人生で最長の10回を投げ抜き、4安打無失点。打線の援護がなく、勝ち星には恵まれなかった。それでも自己最多タイの13奪三振で、連続無失点も26イニングに伸ばした。11回サヨナラ勝ちへと導いた131球。劇的な福留の2ランが出ると、ペットボトルを手に喜々として歓迎に向かった。

 「負けない投球ができましたし、自分の仕事は果たせた」

 覚醒した。直球の最速は155キロ。変化球も切れ、一度も三塁を踏ませなかった。「後半、1点もやれないシビれる状況で何とか抑えてやろうと、球に力を入れました」。なんと10回に投じた129球目で、この日2球目の155キロを出した。「体力的に余裕はありました。(11回も)行くつもりでした」。10回の攻撃で1死二塁で代打・関本を送られたが、直前までヘルメットをかぶって打席に備えていた。

 今季70奪三振はリーグトップに立った。完投勝ちした14日ヤクルト戦(神宮)、プロ初完封を飾った20日巨人戦(甲子園)に続く実質「3戦連続完投」で、今季目標の180投球回に向かって一気に数字を稼いだ。各項目の中で、藤浪は投球回数を最も重視する。「イニングをしっかり投げるイコールいい投球を続けているということ。結果的に他の数字が付いてくるということを意味すると思う」。登板10試合で計73イニングを投げ、昨季の登板25試合で換算すれば182・5イニングになる。

 毎回、登板日は「興奮して眠れない。朝5時まで寝られないこともある」というほど一度のマウンドに懸けている。球団通算5000勝に王手をかけた白星の主役は「こういう投球を続けていきたい」と言った。次戦9回零封なら、よきライバルの日本ハム・大谷が今季に記録した35イニング連続無失点に並びかける。

 ≪下柳以来10年ぶり≫藤浪(神)が10回13奪三振無失点。阪神の先発投手が延長回まで投げたのは、05年10月5日横浜戦の下柳以来10年ぶり。同戦で下柳は10回2失点完投で15勝目を挙げ、最多勝を確定させた。阪神の先発投手が10イニング以上を無失点に抑えて勝敗が付かなかったのは、86年7月8日広島戦で仲田が10回完投し、0―0で引き分けて以来29年ぶりと珍しい。1試合13奪三振は14年6月17日日本ハム戦に並ぶ自己最多。

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