筒香負傷、新人守護神は危険球…DeNA 苦手の交流戦やばいぜ

[ 2015年5月25日 05:30 ]

<D・神>9回無死、上本への危険球をめぐって入り乱れる中畑監督(中央)ら

セ・リーグ DeNA8-6阪神

(5月24日 横浜)
 首位・DeNAは24日、交流戦前最後の試合となった阪神戦で今季15度目の逆転勝ち。3点リードの9回に守護神・山崎康晃投手(22)の危険球退場をめぐり、中畑清監督(61)と阪神・和田豊監督(52)が激しい口論を繰り広げる乱闘騒ぎも起きたが、最後はドタバタ継投で逃げ切った。再び貯金を10とし、2位・巨人に2ゲーム差をつけて、26日から試練の交流戦に臨む。

 横浜スタジアムのグラウンドが怒号に包まれた。3点リードの9回。この回から登板したルーキー守護神・山崎康の初球の直球が抜け、先頭・上本の頭部を直撃した。「何回やっとんのか!」。このカード3つ目の死球に、三塁ベンチから阪神・和田監督が激高して捕手・嶺井に詰め寄ると、両軍ベンチは空っぽに。中畑監督は和田監督と顔を突き合わせて激しい口論。黒羽根が後ろから抱きついて輪の外へ連れ出すほど、熱くなった。

 山崎康は危険球退場。ここからはドタバタの継投だ。急きょマウンドに上がった田中は1死を取った後に2連続四球を与えて降板。1死満塁から登板した国吉は押し出し四球で1点を失う。この後、大和を三直、最後はマートンを空振り三振に仕留めて何とか逃げ切ったが、中畑監督に笑顔はなかった。

 「勝つには勝ったけど後味が悪い。こういった野球を見せてはいけない。阪神の監督には熱くなったけど、すまないと言った。上本、大丈夫かな」。試合後は和田監督の元を訪れ、謝罪した。

 気がかりなのは、守護神の精神状態だ。山崎康も川村投手コーチに付き添われて、上本に謝罪。その後、一塁ベンチに放心状態で座り込んだ。チーム躍進の原動力となっていた右腕は広報を通じ「力んでしまいました。上本さんに本当に申し訳ないことをしてしまった」とコメントした。

 チームは貯金10の首位で交流戦に突入するが、この日不動の4番・筒香が負傷交代するなど、不安要素もある。中畑監督は山崎康について「あそこに行ってしまうのは、プロの投手として失格。1球で(相手の)野球人生が変わる。危険球で野球人生を断たれるかもしれない」と猛省を促した上で、「引きずらないで、次の試合の1球目に意識を持って切り替えてほしい」と気遣った。

 交流戦は昨季こそ13勝11敗で勝ち越したが、08年から6年連続で大きく負け越した。98年以来の優勝を狙うには、この18試合をどう乗り切るか。試合後、救援陣を整備するために、林、大原の昇格と小杉、田中の2軍降格を決めた中畑監督。「交流戦頑張ります」と表情を引き締めた。

 ▼DeNA・嶺井(乱闘騒ぎについて)びっくりしました。すみませんと謝るだけです。

 ▼DeNA・川村投手コーチ(山崎康は)酷使しているので申し訳ない。次が大事。性格的に大丈夫だと思う。先輩もこういう経験をしている。やるしかないんだ。

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