大谷復活3冠!中17日も全開159キロ!11Kで6戦全勝

[ 2015年5月15日 06:30 ]

<日・西>増井からウイニングボールを受け取る大谷(左)

パ・リーグ 日本ハム2―1西武

(5月14日 札幌D)
 日本ハム・大谷翔平投手(20)が14日、西武戦(札幌ドーム)で復活の白星を挙げた。完封を目指した9回に1点を失い、連続無失点が35イニングで止まって降板したが、11奪三振の好投でハーラー単独トップの6勝目。開幕投手の開幕6戦6勝は、79年高橋直樹に並ぶ球団タイ記録となった。右ふくらはぎをつるアクシデントがあった4月26日のオリックス戦(同)から中17日。エースがチームの連敗を4で止め、2位に浮上させた。

 最後はヒヤヒヤだ。自分の力で、マウンドで迎えるつもりだった6連勝の瞬間を、大谷はベンチで見届けた。ハイタッチの列では、浅間を見つけて頭をそっとなでた。

 「素直にうれしいけど、きょうが一番、悔しい。浅間とハーミッダと増井さんに感謝したい」

 今季2度目の完封勝利まであと2人。8回にハーミッダの2点適時三塁打で均衡を破った直後の9回、1死一塁だった。フォークを浅村に叩かれ、ダイビングキャッチを試みた右翼手・浅間が打球を後逸。適時三塁打となり、今季2試合目の登板だった4月4日のオリックス戦(京セラドーム)から続いた無失点記録が35イニングで止まった。守護神・増井に後を託し、最後は2死からメヒアの飛球を浅間が必死で押さえ、何とか逃げ切った。

 捕手・大野と話し合い、中盤以降はフォークを多投した。8回1/3を投げ5安打1失点。最速159キロを計測し、11三振を奪った。規定投球回に再び達し、防御率0・86。勝率、勝ち星とともに投手3部門トップに返り咲いた。栗山監督は「俺は最後まで認めないと思う。エースなら最後まで投げろ」といつも通り手厳しかったが、右腕の快投に表情は緩んだ。

 大谷が悩まされた足のつり。5回で降板した4月26日のオリックス戦以来、出場を見合わせたが「ウエートトレーニングをしっかりやった。短期間で成長できた」と対策に手応えがあった。さらにこの日初めて取り組んだことも効果を発揮した。試合中盤にかけて黄色いドリンクを飲み干すと、終盤からは透明なドリンクで水分補給。黄色いものは糖質補給用。透明なものは電解質を素早く吸収し、脱水症状に効く「経口保水液」だ。汗を大量にかいた終盤にも足がつることなく、力を発揮する原動力になった。

 次は中7日で22日のソフトバンク戦(札幌ドーム)の登板が濃厚な右腕はお立ち台から、15日にプロ初先発するドラフト1位・有原にメッセージを送った。「有原さんが“僕が勝ったら、勝つ”と約束してくれたので、勝ってくれると思います」。登板前夜の13日に一緒に食事に出掛けており「初先発で連敗(中)は重いと思う。何とかつなげたらと思った」。今季ワーストだったチームの連敗を4で止めたエース。唯一の弱点だった足のつりを克服し、大黒柱の貫禄を見せた。

 ≪36年ぶり2人目≫大谷(日)が開幕戦から6戦全勝。日本ハムでシーズン初登板から6戦6勝は79年高橋直樹、96年に西崎幸広に並ぶタイ記録。開幕戦に先発した投手では、高橋直に次ぎ球団36年ぶり2人目となった。11奪三振以上は自身5度目、2桁奪三振は8度目。

 ≪連続無失点イニング35でストップ≫この日は8回まで無失点も9回に1点を失い、4月4日オリックス戦の2回からの連続無失点イニングは35に。日本ハムでは11年ダルビッシュの46イニングに次ぎ、54年米川泰夫と並び球団2位タイの記録。

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