梅野、猛虎お目覚めV弾!豪快2号で連敗&単独最下位脱出

[ 2015年5月14日 08:52 ]

<ヤ・神>3回無死、梅野は中越えに先制ソロ本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神7―5ヤクルト

(5月13日 神宮)
 阪神・梅野隆太郎捕手(23)が13日のヤクルト戦(神宮)の3回、バックスクリーン右へ先制の今季2号ソロを放った。若虎の豪快な一発で火が付いた打線は12試合ぶりとなる2ケタ12安打をマーク。連敗を3で止めたチームは広島と5位で並び、単独最下位を脱出。眠れる猛虎が遂にお目覚めだ。

 打球の行方は追わず、前だけを向いてダイヤモンドを駆けた。大歓声で知った着弾。梅野が、猛虎を目覚めさせるアーチを描いた。

 「ずっと先制されてたんで、良かった。しっかり体重がボールに乗ったので手応えはあった」

 0-0で迎えた3回、先頭打者で、145キロの直球をこん身のフルスイングで振り抜いた。バックスクリーン右に飛び込む先制ソロは、4月14日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となる今季2号。明治神宮大会や日本代表など大学時代に慣れ親しんだ神宮ではプロ入り後初の本塁打となった。

 “恐怖の8番”の値千金の一撃は、湿りがちだった打線にも火を付けた。今季初となる先発野手全員安打に加え、4月26日の広島戦(マツダ)以来、12試合ぶりとなる2ケタ安打もマークした。

 悩める23歳を変えたのは意外にも投打の助っ人だった。プロ2年目は、苦闘が続く。開幕スタメンを勝ち取りながら、チームの低迷とともに先発機会も一気に減った。結果がすべての世界の厳しさを痛感する日々…。折れそうになった心を奮い立たせてくれたのは、昨年から数多くバッテリーを組んできたメッセンジャーの言葉だった。

 黒星が先行し、自身も不振に苦しむ中で、4月のある日の試合後、助っ人右腕に肩をたたかれた。

 「打たれるのは自分の制球が甘くなっただけの話だから。結果を気にせず、自信を持ってリードしてくれればいい」

 少し弱気にミットを構えていた自分に気付いた。「配球はランディがリードしてくれることが多いので、その分、前でボールを止めたり、盗塁を刺したい、と余計に思うようになったんです。できることを全力でやろうと」。背番号44のユニホームが泥だらけになる日が増えていった。

 3月中旬にあったオープン戦の関東遠征中には、マートンに初めて食事に誘われた。M砲は昨年、首位打者のタイトルを獲得した時のメンタル面について、熱弁をふるってくれたという。

 「“たとえ無安打の日々が続いてもマイナスなことは考えない。次の日に3安打打てるかもしれないという考えで臨めばいい”と。長いシーズンを戦う上で本当に勉強になる話ばかりだった」

 打率は2割台前半でも、堂々と打席に向かい、意地の一発につなげた。

 「きっかけというか、(本塁打で)チームに勢いが付いたような感じなので、良かったです」

 一振りで沈滞ムードを振り払うことができた。梅野にとって勇気の沸く一夜となった。

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