ロッテ大嶺兄弟 母の日に初の同時お立ち台 親代わり祖母孝行

[ 2015年5月11日 05:30 ]

<ロ・西>弟・翔太(右)とお立ち台に上がった大嶺祐は「まさかこんな日が来るとは…」と感無量

パ・リーグ ロッテ11-1西武

(5月10日 QVC)
 本拠地のQVCマリンから約2000キロ。ロッテの大嶺ブラザーズが、故郷・石垣島に住む家族に最高の恩返しをした。初めて一緒に上がったお立ち台。弟・翔太が入団してから6年目のことで、26歳の兄・祐太は「こんな日が来るとは思わなかったので、きょうは凄くうれしい」と喜びをかみしめた。23歳の翔太も「兄弟2人でいい姿を見せられたと思う」と照れくさそうに笑った。

 公式戦では初の兄弟同時スタメン出場。先発した兄の背中越しで、弟・が二塁手としてバックを守った。祐太は初回、3四球でいきなり1死満塁のピンチを招いたが「あれが大きかった」とメヒアを二ゴロ併殺に仕留めて切り抜けた。さばいたのが翔太だった。5回1死一塁でも秋山を二ゴロ併殺。打っても3回2死満塁から左前に今季初適時打を放ち、力投を続ける兄を援護した。約1カ月前に右肘の炎症から本格復帰した祐太は、弟のサポートを受けながら今季最長の8回を投げ抜き、4安打1失点で今季2勝目を手にした。

 母の日とあって、ともに幼少期から母親代わりに育ててくれた祖母・孝子さんの顔を思い浮かべながらグラウンドに立った。「きっと石垣島で喜んでくれているはず」。祐太は登板後に実家に電話をかけるのが日課。3日の日本ハム戦(QVCマリン)で今季初勝利を挙げた際も祖母に報告して喜ばせた。翔太も毎年、母の日に電話で感謝の気持ちを伝えている。この日もピンクのリストバンドに祖母への思いを込めた。「小さい頃から“短気は損気”と言われてきた。試合中もその言葉の通り、冷静にプレーするように心掛けている」。13年8月に結婚し、長女は今年9月で2歳になる。家庭を築いたことで、あらためて祖母への感謝の気持ちが強くなった。

 兄弟そろっての活躍でチーム約1カ月ぶりの連勝に貢献。お立ち台では兄弟らしく息ピッタリの掛け合いだ。兄が「エラーは困るのでしっかり併殺にしてくれてよかった」と言えば、弟も「僕のところに打たせるなと思っていた」と突っ込む。仲睦まじい大嶺ブラザーズ。「初の共演」が母の日だったのはきっと偶然ではないはずだ。

 ≪プロ野球の兄弟選手≫

 ☆リー兄弟 兄・リーは77~87年にロッテでプレーし77年に本塁打王。弟・レオンは78年から3球団10年間にわたって活躍。通算268本塁打。78~82年に同じロッテに所属した。

 ☆松沼兄弟 アンダースローの兄・博久は愛称「兄やん」。79~90年まで西武に所属し通算112勝。弟・雅之も同じ79年に西武入団。88年まで一緒にプレーした。兄やんに対して「おと松」と呼ばれた。

 ☆入来兄弟 兄・智は89年ドラフト6位で近鉄に入団。弟・祐作は97~03年まで巨人でプレーし、99年に智が巨人に移籍したことで翌00年まで同じ球団でプレー。祐作は今季からソフトバンクの3軍投手コーチに就任。

 ☆新井兄弟 兄・貴浩は98年ドラフト6位で広島入団。08~14年に阪神でプレーした。弟・良太は10年オフのトレードで中日から阪神移籍。11年から昨年まで兄弟でプレー。12年7月29日DeNA戦で兄弟アベック弾。

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