90年与田超え!DeNA山崎康新人新9戦連続S 3者連続三振締め

[ 2015年5月9日 05:30 ]

<D・巨>9連続セーブの山崎康(右)は中畑監督の出迎えを受ける

セ・リーグ DeNA6-5巨人

(5月8日 横浜)
 DeNAが8日の巨人戦で横浜時代の07年以来8年ぶり、現球団名になってからは初の6連勝を飾った。4点差もなんのその、5回に3点を返すと、7回に井手正太郎外野手(31)が逆転の2点適時打。1点リードの9回はドラフト1位・山崎康晃投手(22)が3者連続三振で締め、新人新記録の9試合連続セーブを達成した。勢いのある勝ちっぷりで、2位・巨人とのゲーム差を2・5に広げた。

 大歓声に包まれた横浜スタジアムのお立ち台。主役の山崎康はトークでもきっちり沸かせた。新人新記録の9試合連続セーブ。内容も濃く、5試合は1点差を守った。快投の秘けつを聞かれ、「顔です…井手さんに(言えと)言われました」。いたずらっぽい笑顔に充実感をにじませた。

 1―5と4点を追う5回から肩をつくり始めた。「必ず逆転すると思った。投げることしか考えていなかった」。思いが通じて9回に訪れた出番。高橋由、橋本、金城をいずれも伝家の宝刀・ツーシームで3者連続空振り三振に仕留め、リーグトップの13セーブ目だ。140キロを超えるツーシームは打者の手元で大きく落ちる。最速152キロの直球と見まがう軌道。橋本がワンバウンドのツーシームを2度空振りした場面が象徴的だった。

 人生の横道にそれず、支えてくれた家族への思いは強い。礼儀正しく、言葉遣いも丁寧で周囲の評判が良いルーキーだが、中学時代は実家の壁を殴って大きな穴を開けたこともあった。だが、フィリピン人の母・ベリアさん(45)が心を鬼にした。帝京高校に入学してまもなく練習をサボって自宅に戻ってきた息子の手を引き、「あなたはここにいたらダメ」と一緒にタクシーで学校に引き返して謝罪をさせた。

 「支えてくれる方々がいるから今の自分がいる」と口癖のように言う。宜野湾の春季キャンプではサイン会をほぼ毎日開き、1時間半を超えても笑顔を絶やさなかった。「僕も亜大が休日の時にDeNAのキャンプに来て、選手のサインをもらっていたからファンの気持ちが分かるんです」。心優しい右腕はしみじみと話していた。

 DeNAの球団名になってから4度目の6連勝のチャンスで初めて勝ち、99年以来の貯金7。中畑監督も立役者の守護神を「(記録を)まだまだつくるんじゃない?その場をつくってあげたい。彼にはこの舞台が似合う」と絶賛した。「勝ち続けているんで、勢いに乗ってもっともっとセーブをつけられるように頑張ります」。山崎康が本物の救世主になる。

 ≪90年与田超え≫ルーキーの山崎康(D)が4月22日阪神戦から9試合連続セーブ。90年与田(中)の8試合を抜き、新人の連続試合セーブ記録を25年ぶりに更新した。チームで9試合以上の連続セーブは、98年に22試合連続のプロ野球記録をマークした佐々木以来2人目になる(4度目、佐々木は3度)。巨人からは初セーブで、これで早くもセ5球団を制覇。13セーブ中、1点差は8試合目と最少リードを守り切っている。

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