巨人珍サヨナラ負け 勘違いフラちゃんタッチせず

[ 2015年5月5日 05:30 ]

<広・巨>フランシスコと村田の間に打球が落ちる。 9回1死満塁 小窪は打球を内野に打ち上げる(記録は三飛インフィールドフライ)。野間が生還しサヨナラ

セ・リーグ 巨人2-3広島

(5月4日 マツダ)
 巨人が珍プレーでサヨナラ負けした。4日の広島戦の9回、1死満塁での守り。投本間に上がった小窪の飛球にインフィールドフライが宣告されたがホアン・フランシスコ(27)、村田修一(34)両内野手がお見合い。ボールが落ちた後の処理で、本塁を突いた三塁走者をアウトにするのに必要なタッチをせず、生還を許した。痛恨の幕切れで、連勝は3で途切れた。

 同点の9回裏、1死満塁。勝敗の分岐点に立った緊迫感が、両軍選手、そして審判にも影響したようだ。起こった珍しい幕切れ。広島は大笑いし、巨人は泣いた。

 巨人はマシソンが代打・小窪に本塁付近への飛球を打たせた。インフィールドフライが宣告される状況で、嶋田二塁塁審と丹波三塁塁審の2人はすぐコール。ただ、福家球審に動きはなかった。

 追ってきた一塁・フランシスコ、三塁・村田はお見合いする形で捕球できず、スタートを切った三塁走者の野間が本塁を駆け抜けた。この直前、打球を拾ったフランシスコが本塁を踏み、福家球審が「アウト」を告げたように見えた。広島は抗議し、打者は既にアウトになっているため走者の封殺は成り立たず、タッチが必要だと訴えた。他審判からの指摘も受け、福家球審は最後は胸の前で「セーフ」と示した。

 【審判は…】福家球審は、インフィールドフライの宣告を行ったとし、タイミングについて「(一連の)プレーが終わってから」と話した。フランシスコが本塁を踏んだ時に告げたように見えた「アウト」は、インフィールドフライを告げるものだったとの言い分だろうが、宣告は打球が上がった直後になされるべきで、釈明としては苦しい。「もう少し選手にうまく伝えられていたらよかった。混乱なく伝えられていれば」とも言った。

 【野手は…】飛球に最も近い位置にいたため記録上、失策が付いた村田は「(ジャッジは)捕りにいっていたから分からない」と困惑。野手陣にはインフィールドフライの判定が伝わりきっていなかったようだ。フォースプレーを狙ったフランシスコは「自分は捕りにいって、それ以外は審判の判断。何とも言いようがない」。捕球すべきだった当事者だけに、事後の処理で慌てるのは無理もないが、ルールを勘違いして動いたことは確かだ。川相ヘッドコーチは「インフィールドフライと分かった中で落ちていたら、対応できたかも分からない」と話した。

 【三塁走者は…】野間はタッチされれば併殺で、ボーンヘッドと言われても仕方がないスタート。ただ「球審を見ていたので、三塁塁審の声は何も聞こえなかった。打球が落ちたので走りました」と口にした。

 サヨナラが認められてもろ手を挙げた広島緒方監督と入れ替わり、巨人・原監督が抗議。ベンチ裏に下がると「言いたいことも言ったし、その中で結果的にこういう状態(サヨナラ負け)になった。それ以上、何も言う必要はない」と多くは語らなかった。首位を快走し始めた巨人の連勝が、思わぬ形で止まった。

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2015年5月5日のニュース