10K&自身初無四球も…藤浪 小林以来のシーズン2度G戦完投負け

[ 2015年5月3日 05:30 ]

<巨・神>7回無死二塁、フランシスコ(右)に適時内野安打を打たれ顔をしかめる藤浪

セ・リーグ 阪神0-1巨人

(5月2日 東京D)
 まさに「見殺し」だった。阪神は2日の巨人戦(東京ドーム)に0―1で敗れ、連勝は4でストップした。先発・藤浪晋太郎投手(21)が自身初の無四球完投となる8回5安打1失点の好投を見せたものの、打線が援護できず。今季2度目の零敗で、相手先発・ポレダに3連敗を喫した。

 もちろん9回裏も藤浪は投げるつもりで、ベンチ前でキャッチボールしていた。だが、その機会は訪れなかった。8回5安打1失点。「直球に関してはすごくよかったと思う。内容的にも(今季)一番まとまった内容だったと思う」。直球は自己最速タイの157キロを叩き出し、今季最多の10三振を奪った。しかも無四球で自己最少の99球完投。それでも勝てなかった。打線の援護に恵まれず、3敗目を喫した。

 「その前(の球)で空振りを取ったのと同じ球で勝負しましたが、それが浮いた。低めに投げていたら詰まらせることができていたと思います」

 勝負どころで、手元が狂った。7回だ。先頭の大田に外角高め153キロ直球を中越え二塁打とされ、無死二塁。打席にはフランシスコ。細心の注意を払いながら追い込んだ。だが、勝負球が甘くなった。高めに浮いた内角への139キロのカットボールを一塁線にはじき返され、決勝点を失った。

 「(腕の振りを)意識して投げていました。フォーム的にもすごくよかったと思う」。敗れたとはいえ7回以外は圧巻だった。前回登板の4月25日・広島戦(マツダ)後の調整期間に、内野ノックを受けてからの送球を繰り返すなど横振りになっていた腕の振りを縦振りに修正。本来の球質と制球を取り戻し、その成果を存分に発揮した。

 特筆すべきは4回だ。1死三塁で4、5番を迎え、ギアを入れ替えた。大田への初球は自己最速タイの157キロ。先手を奪うと、最後は141キロカットボールで空振り三振を奪った。続くフランシスコには156キロ、152キロ、155キロの直球一本で3球三振。スピンの利いた縦回転の直球で相手主軸を圧倒した。ただ、それだけに7回の1失点が悔やまれる。

 これで対巨人5連敗、ビジター7連敗。8回3失点で敗れた4月3日の同カード(東京ドーム)に続き、同一シーズン2度目の巨人戦完投負けとなった。阪神では1980年の「巨人キラー」故小林繁氏以来だ。19番を受け継いだ後継者も、巨人相手に魂を込めた投球を続ける。悔しさを糧にし、いつか「巨人キラー」の称号も受け継ぐ日が来る。

 ≪ビジター7連敗≫藤浪(神)が8回1失点完投も、味方の援護なく3敗目。ビジター球場では昨季8月14日巨人戦(東京ドーム)から7連敗。巨人戦は初登板の13年8月4日(同)に勝利して以降、5連敗と白星が遠い。また、巨人戦は今季4月5日に続く完投負け。阪神の投手でシーズン2度の巨人戦完投負けを喫するのは、80年9月4日、10月9日の小林以来35年ぶり。

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2015年5月3日のニュース