プロ注目、東農大オホーツク147キロ腕 井口がユニバ代表に

[ 2015年4月28日 08:10 ]

ユニバーシアード日本代表に選ばれた井口

 全日本大学野球連盟は27日、ユニバーシアード夏季大会(7月、韓国・光州)日本代表の登録選手22人を発表。東農大北海道オホーツクのプロ注目の最速147キロ右腕、井口和朋投手(4年、神奈川・武相)が選出された。日本オリンピック委員会の理事会で正式決定する。道内大学からの大学日本代表は12年ぶり4人目、ユニバーシアード代表は初めてとなる。

 喜びと責任。井口の胸にさまざまな感情が湧いた。「上のレベルで戦えることへの喜びがある。選んでもらえてうれしいが、結果を出さないと意味がない」。折しも、25日から全日本大学選手権(6月)を目指すリーグ戦が始まったばかり。「大学日本代表」の肩書も加わった右腕は、気持ちを引き締めた。

 全国4強入りした昨秋の明治神宮大会で「全国区」に名乗りを上げた。先発2試合を含む全3試合に登板し、計12回2/3を無失点。初戦で右足を痛めた風張(現ヤクルト)の穴を埋め、存在感を発揮した。「マウンドに立てるのは1人だけ。もらったチャンス、抑えるしかないと気持ちを出した」と井口。自己最速147キロをマークした聖地でチャンスを引き寄せた。

 高いレベルでの経験を成長につなげている。今年3月の代表候補合宿の慶大戦で、2回5安打2失点と打ち込まれた。「直球だけでは通用しない。変化球の精度と直球の出し入れがいかにできるか。足りないところが明確になった」。明治神宮大会準決勝で屈した駒大・今永ら世代最強メンバーと交流を深める中で、「世界」への思いが湧き上がった。高校時代は激戦区で埋もれていただけに、樋越勉監督(58)は「悔しさを持って黙々とやっていた。世界一を目指してほしい」と送り出す。

 背番号は「19」に決まった。偶然にも、チームでエース番号の打診を断ってまでこだわる背番号で世界の舞台に立つ。「結果はもちろんだが、自分と同じように背が大きくない投手の技や(投球の)幅の広さを盗んできたい」。オホーツクから世界へ。威力ある直球と切れのある変化球、何より気持ちを込めた投球で世界一をつかむ。

 ◆井口 和朋(いぐち・かずとも)1994年(平6)1月7日、神奈川県横浜市生まれ。横浜中山小1年の時「DMファイターズ」で野球を始める。高校時代は1年秋からベンチ入りし、3年夏はエースで県大会8強。大学では1年春からベンチ入りし、13年全日本大学選手権、14年明治神宮大会出場。リーグ戦通算17勝1敗(27日現在)。家族は両親と兄、弟、妹。1メートル77、80キロ。右投げ右打ち。

 ▼大学日本代表・善波達也監督 井口君は制球が良くて切れがあり、手元で伸びる球が最大の特徴。調子の波も少ない。打者に向かっていくボールを投げられるし、どんな場面でも物おじしない。国際大会では変化球でかわすより、攻めの投球で相手を動かしていくことが大事になる。それができる投手だと思う。気持ちの部分も買った。いろんな場面で起用しやすいなと感じている。

 ▽ユニバーシアード夏季大会野球競技 7月6~11日に開催。参加する8つの国と地域を2グループに分け、日本は韓国、中国、フランスとAグループ(試合日程は後日発表)。大学日本代表は6月19~22日の強化合宿(神奈川)、6月28日~7月1日の直前合宿(都内)を経て、7月2日に韓国に出発する。

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