マー君 志願の強打タ軍退治 3冠王カブレラ斬り「こっちの醍醐味」

[ 2015年4月25日 05:30 ]

<タイガース・ヤンキース>6回2死、カブレラ(左)を右飛に打ち取った田中

ア・リーグ ヤンキース2―1タイガース

(4月23日 デトロイト)
 志願の中4日で熱投!ヤンキースの田中将大投手(26)が23日(日本時間24日)、タイガース戦に先発し、7回途中3安打1失点の好投。勝ち星こそつかなかったが、チームを3連勝で今季初の地区首位タイに導いた。右肘に配慮し、中5日プランも検討される中、メジャー屈指の強力打線に挑むために自ら今季初の中4日を選択。気温0・5度で雪も舞う過酷な気象条件も重なったが、気迫十分の投球で全てを封じ込めた。

 朝からチラチラと雪が舞ったデトロイト。試合開始時の気温は0・5度と冷え込み、防寒対策で全身タイツをはく野手もいた。そんな中でも、田中は熱かった。同点の7回1死二塁、三振を取りにいったセスペデスへの4球目がファウルになると、クルリと振り返り、思い切り吠えた。結果的に四球を与え、94球で降板したが、6回1/3を3安打1失点は十分な内容だった。

 「試合を崩さずにつくれたことはよかった。リリーフに助けられましたけど、1失点で終わることができたし、チームも勝ったのでそれが一番」

 「TANAKA」の価値を証明するマウンドでもあった。30球団中2位のチーム打率・286を誇り、現役最強打者カブレラを擁するタイガース。初回は「こういう天候だし、ちょっと慎重になった」と際どいコースを狙い、ボールが先行した。1死一、三塁のピンチを招くと、V・マルティネスに先制の左犠飛。初回だけで23球を投じたが、一方で冷静だった。

 「そんなに積極的に打ちに来ていなかった。もっと大胆にストライクを取りにいこうかなと」。23球中12球がボールだった初回から一転、攻めた。2回以降は71球中、ストライクは69%の49球。自分のペースに巻き込んで追加点を許さず、8回の勝ち越しにつなげた。

 この日は午後1時5分開始のデーゲームで、前回18日のナイターから実質「中3・5日」での登板だった。チームは13連戦中。ラリー・ロスチャイルド投手コーチが「選択肢は2つあった」と認めたように、首脳陣は田中の体調面に配慮し、先発を6人にしてこれまでと同じ中5日で24日(日本時間25日)のメッツ戦に起用することも検討した。そして、最終的には登板日を田中にある程度、委ねた。

 その答えは、メッツ戦ではなく、強打を誇るタイガース戦。昨季も対戦がなかった強敵にあえて立ち向かった。「メジャーでも屈指の打線。そういう打線と対戦できるのもこっち(メジャー)の醍醐味(だいごみ)。どうやって抑えるかしっかりと考えて投げられれば」という対戦前の言葉を実現させた。

 中4日、強力打線、そして極寒とも戦った。「バランスを取りながら投げられたんじゃないかな。まあ神経、使って投げましたね」。カブレラとの注目の初対決は、四球の後は2つの右飛。「いい球を投げる。また対戦したい」。12年の3冠王カブレラにそう言わせる、田中の熱投だった。

 ▼ヤ軍、ジョー・ジラルディ監督 タフな打線を相手によく投げてくれた。

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