復調しなければ…和田監督 ついにマートン先発外し示唆

[ 2015年4月24日 05:30 ]

横浜から帰阪するマートン

 阪神・和田豊監督(52)が23日、打撃不振の続くマット・マートン外野手(33)について今後も復調が見られない場合には先発を外す可能性に初めて言及した。一向に状態が上向かない状況に苦悩は隠せず、「チームが最優先」の基本方針を強調。22日のDeNA戦(横浜)から6番に降格させ、現時点ではまだ復調待ちの姿勢ながら、胸の内に秘めた猶予期間を過ぎても上昇気配が見られなければ荒療治も辞さない考えを示唆した。

 和田監督の表情には苦悩の色がありありと浮かんでいた。横浜からの移動日、精彩を欠くマートンの処遇について問われて言葉を絞り出した。

 「いずれにしても我々はどうやったら、彼がよくなるかを考えている。打線の中で大きなウエートを占めているわけだから。これから、どう上げていくか、ということ」

 事態を複雑にしているのは、単なる打撃不振ではないということだ。前日22日を終えた時点で打率・207。低迷する成績以上に深刻なことは、ストライク、ボールの判定に対して不平不満を募らせていることだ。

 「そこからいろんなところに発展している。戦う相手というかね。整理できていない」

 先のDeNA2連戦でも際だったのが、見逃し三振の多さだった。21日の初戦では3三振すべてが見逃し。しかも、同じような外角直球をかたくなに見送り続けた。2年ぶりに6番へ降格した前日22日の同戦でも逆転直後の好機で見逃し三振に倒れ、勢いを消した。

 打った、打たないの結果ではない。誰と戦っているのか分からないような態度は周囲へ悪影響を及ぼしかねない。守備での動きも緩慢さが目立ち始め、チームの士気低下にもつながりかねない。和田監督も懸念した。

 「もちろん(負の影響が)あるよ。していいことじゃないから。いろんなことに対してね」。選手間でマートンに対する不満や不信が芽生えている可能性も問われ、「そこら辺のことも考えてね」と否定できなかった。

 前日22日の最終打席に24打席ぶり安打が出ても先行きは不透明。いつまでも待ち続けるわけにもいかない。「チームが最優先。ずっと、というわけにはね」。胸中には一定の猶予期間を設けていることを示唆。先発から外す最終手段についても「選択肢はいろいろあるだろうけど、それはこちらに任せておいて」と除外はしなかった。

 加入6年目。近年はストライクゾーンへの不満から打撃不振に陥る悪循環が慣例となりつつある。本人は「プレート(ホームベース板)の上に乗ったストライクを狙っていきたい」とうそぶくが…。「実際、毎年そういう時期があって、そこから立て直してくる」。和田監督は信頼感が完全には消えていないことを強調し、いまはまだ復調に期待を寄せた。借金4の5位。マートンの改心が見えなければ、この先の戦況は厳しい。

 ≪三振ペースは昨季の2倍≫マートンは今季22試合を終えて87打数18安打の打率・207。昨季の22試合終了時点と比較すると、打率、打点、本塁打など軒並みダウンしている。半面、数を増やしたのは三振で、12増は安打の13減とほぼ同数。現在のシーズン130三振ペースは昨季(64三振)の約2倍になる。

 ≪四球減≫20三振のうち半分の10個が見逃し三振で、割合では昨季の36%(64三振中23個)から14%のアップ。昨季同時点より四球が減っていることからもストライクゾーンの見極めに苦しんでいるのがわかる

続きを表示

2015年4月24日のニュース