【早実・清宮の素顔2】調布シニア恩師 中学でプロ並み重量バット使用

[ 2015年4月24日 10:31 ]

早実の清宮
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 世界一にまで上り詰めたリトル時代から一転、早実中1年の秋に入団した調布シニアでは故障に泣いた。2年に上がる直前の13年2月には腰を疲労骨折。安羅岡一樹監督(52)は「スイングが速すぎて体がついてこられなかったようだ。本人もつらかったと思う」と話す。医師からは「何もしないで半年過ごすか、痛くてもプレーを続けるか」と言われ、休養という苦渋の決断を下した。

 打撃練習どころかティー打撃もできない。それでも練習や試合では用具を準備するなど裏方仕事に徹した。練習を再開して間もない中3春、チームが全国大会に出場すると、安羅岡監督に「ベンチに入れてください。一生懸命応援します」と志願。声をからしてベンチから応援する清宮の姿があった。そして、夏の大会では主力選手として全国制覇に導いた。

 骨折が完治した後はさらに進化した。通常シニア選手が使うバットは約800グラムだが、清宮はプロ野球選手並みの約900グラムを使用。現在は970グラムを使っている。練習でもゴロは打たず、レベルスイングから弾丸ライナーの打球を繰り出す。今のスタイルを確立したのは、この頃。高校でも公式戦3試合15打席でゴロは2つしかない。

 体重も中学時代に100キロの大台を突破したが「ぽっちゃりに見えて、実は余分な肉がない」。早実中時代はオール5に近い成績をとったことがあるほどの秀才で、一度対戦した投手は忘れない。「“王貞治2世”とはまさにこの子だなと感じた」と、安羅岡監督は早実の偉大な先輩の名前を挙げて期待する。シニア時代のケガを乗り越え、清宮は心身ともにたくましく成長した。

 ◆清宮 幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日、東京都生まれの15歳。早実初等部4年から東京北砂リトルで野球を始める。早実中1年夏にリトルリーグ世界選手権で優勝。調布シニア3年夏に全国大会優勝。早実では1年春からベンチ入り。1メートル84、97キロ。右投げ左打ち。

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