中日5年ぶり6連勝で単独首位!“打率10割”ガッツ12回サヨナラ打

[ 2015年4月6日 05:57 ]

<中・広>延長12回1死満塁、代打・小笠原(左から2人目)は左前にサヨナラ打を放ちナインから手荒く祝福される

セ・リーグ 中日5-4広島

(4月5日 ナゴヤD)
 中日には最後の最後に切り札が残っていた。延長12回1死満塁。ナゴヤドームは地鳴りのような歓声に包まれた。もちろん、「代打・小笠原」。左前にサヨナラ打を放つと、41歳は走りながら右腕を突き上げた。ナインからウオーターシャワーを浴びた。髪や、自慢のヒゲもびしょ濡れになったが、心地よかった。

 「久々に気持ちいい。最高でした。みんなの気持ちを背負って(打席に)立っているし、(打てた要因は)気持ちしかない」。3四球で回ってきた打席。制球の定まらない一岡に対しても打つことしか頭になかった。「急に調子が変わることだってある」。集中力を最大に高めた。1ボールからの2球目、カットボールを左膝がつくまで強振。ファウルだ。続く低めのフォークを見極め、4球目の外角直球を捉えた。巨人時代の13年6月5日日本ハム戦(東京ドーム)以来のサヨナラ打。中日移籍2年目で初だった。

 「昨季終盤からこういう役割になっているし、どんなパターンになっても集中して打席に入れるように準備している」と小笠原。1点を追う8回2死一、二塁。谷繁兼任監督は「迷った」と言う。だが、我慢して高橋周を代打起用すると、同点適時二塁打で延長戦に。そして温存した「代打の神様」が決めてくれた。

 小笠原は移籍1年目の昨季、代打を中心に打率・301。今季も代打だけの出場で3打数3安打(1四球)、打率10割で指揮官は「昨年よりも状態がいい。最高の場面を持っていってくれる」と脱帽した。開幕3連敗から5年ぶりの6連勝で、3年ぶりの単独首位に立った。「浮かれることなく、一回でも多く(期待に)応えていきたい」と小笠原。福田ら今季躍進を遂げる若手からも慕われ、アドバイスを惜しまない。41歳の大ベテランは本当に頼もしい。

 ▼中日・高橋周(8回2死一、二塁から代打で同点の左中間二塁打)打てなかったら仕方ないと割り切って振った。

 ≪自身サヨナラ打は5本目≫小笠原(中)が移籍後初のサヨナラ安打。自身サヨナラ打は5本目だが、過去は本塁打が3度と犠飛が1度で、単打は今回が初めて。41歳5カ月でのサヨナラ安打は、セでは4番目の年長記録となった。

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