原巨人 水鉄砲で最下位…8安打、開幕6戦2桁安打は1度だけ

[ 2015年4月3日 06:00 ]

<中・巨>7回2死満塁、一ゴロに倒れた阿部は、中日のマスコット・シャオロンを背にベンチへ引き揚げる

セ・リーグ 巨人3-5中日

(4月2日 ナゴヤD)
 巨人は2日、3―5で中日に敗れ、今季初の3連敗を喫した。4番・阿部慎之助内野手(36)が好機に凡退した直後の7回に2番手・山口鉄也投手(31)が3失点で勝ち越された。中日相手の同一カード3連敗は、2013年7月以来。開幕2カードが終了して2勝4敗で最下位タイに低迷。原辰徳監督(56)は苦悩の采配が続いている。

 敗戦投手となった山口は試合後、硬い表情で無言を貫き、帰りのバスに乗り込んだ。2―2の7回に登板し1死二塁から平田に勝ち越しの適時打を許すと、2死後には福田に左中間席へ2ランを浴びた。捕手の構えた外角低めに投じられたチェンジアップが、完璧に運ばれた。信頼が厚い分だけ、ダメージも大きかった。

 昨年16勝8敗とセ・リーグで最も好相性で、今季開幕3連敗スタートだった中日相手に、13年7月以来の同一カード3連敗。報道陣に「球は悪くなかったか」と聞かれた斎藤投手コーチは、「そうですね。やつでやられたら仕方ない」と話した。昨季まで7年連続で60試合以上に登板。昨季抱えていた左肘の不安を乗り越えて開幕を迎えた鉄腕に対し、原監督は「特に不安を抱えてマウンドに上がったわけではない。こういう時もある。切り替えるということ」と巻き返しに期待した。

 山口、マシソンから守護神の沢村へつなぐはずの2015年版の「勝利の方程式」が機能していない現状では、リーグ4連覇は苦しい。先月31日の初戦ではマシソンが小笠原に決勝打を浴びるなど1/3回を3安打2失点。救援陣全体でも開幕から全6試合で失点しており、個々の不調をカバーしきれない。

 開幕前に「水鉄砲」「紙鉄砲」と原監督が自虐的に語った打線も、低調なままだ。2回に重盗で12イニングぶりの得点を挙げ、3回には阿部が一時同点の犠飛を放つも、あと一本が出ない。7回には2死満塁の好機で阿部が一ゴロ。打順の巡り合わせが考慮され、この回の終了後に投手と交代でベンチに退いた阿部は「切り替えて、また打てるようにするだけです」と声を絞り出した。

 2回には名手・井端の失策が失点に絡むなど、負の連鎖が止まらない。開幕2カードを終えて2勝4敗。指揮官は「まだまだ振り返るというよりも、全て糧にしながら行くしかない」と懸命に前を向いた。

 ≪ワースト記録は4連敗≫巨人は中日に3連敗。このカードで巨人が初戦から3連敗は93年以来22年ぶり。ワースト記録は92年の4連敗となっており、次戦(28日)に敗れると並んでしまう。この日は2回に二塁手の井端が失点に絡む失策。今季巨人の失策数はリーグ最多の6個。巨人が開幕6試合で6失策は87年以来28年ぶりと守備の乱れが目立つ。

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