2回以降は別人!松坂さすがの修正力 初回3失点も6回まで無安打

[ 2015年3月18日 06:20 ]

<ソ・ロ>2回以降は5イニングを無安打の力投を見せた松坂

オープン戦 ソフトバンク2-3ロッテ

(3月17日 ヤフオクD)
 「これが松坂の生きる道」。ソフトバンクの松坂大輔投手(34)が17日、ロッテとのオープン戦で、本拠地初登板を果たし6回を4安打3失点だった。日本球界復帰後3度目の実戦登板。立ち上がりこそ4連打で3点を失ったが、2回以降はスライダーなど変化球を主体にして無安打に抑えた。日米通算164勝の経験を生かした非凡な修正能力を発揮した。

 6回2死一塁。この日の97球目、カットボールで井口を見逃しの三振に斬ると、松坂は小走りでベンチへ引き揚げた。前回10日の登板(長崎)は「雪」に泣いたが、この日は「雨」のち「晴れ」。3点を失った初回と、1本も安打を許さなかった2回以降では別人だった。試合後。「立ち上がりをどうにかしないと」と厳しい表情を見せたが、「情報がない中で、打者を見ながらですね。多くの打者と対戦できて良かった」と、収穫があったことも強調した。

 日米通算164勝。その経験を生かした。初回、先頭の荻野に直球で入ってスライダーで左前打を許した。速球が走らずリズムを崩し、続く鈴木から今江まで4連打。あっさり3点を失った。「試合に入るとまだ力が入りすぎる」。だが、窮地を救ったのは切り替えの早さだった。2回からはスライダーを軸にした投球に変更。2巡目の3回は、荻野には初球に113キロのカーブで打ち気をそらし、直球を続けて遊ゴロに斬った。初回に直球を打たれた鈴木には一転してスライダーを投げ続けて右飛に打ち取った。予定の球数は80。5回を終えて73球だったが、「前回64球と少なかったので」と首脳陣に志願して6回のマウンドに向かった。2回以降は失策と四球で出塁を許しただけ。工藤監督は「立ち直ったのを見て心配ないと思った」と高く評価した。

 9年ぶりの日本球界復帰。西武時代に対戦した打者は数えるほどしかいない。150キロ台の剛速球を連発した「平成の怪物」は姿を変え、この日の最速は145キロ止まりだったが、多彩な球種を駆使して投球を修正する器用さも兼ね備えていた。女房役の鶴岡は「初回に打たれたので配球を変えないといけない。抑えるパターンをいろいろつくれればいい」と話した。

 06年3月30日以来のヤフオクドームでのマウンドは、シーズン初先発が濃厚な31日オリックス戦と同じ舞台。この日は3万4000人近い観客の後押しを受け、予行演習で先発の役割を全うした。開幕前の最終登板は、24日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(神戸第2)。「(本拠地で)シーズンさながらの雰囲気を経験できた」と振り返る松坂の表情には一点の曇りもなかった。

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長(松坂について)初回は高めに行っていたけど、2回以降はペースをつかんだ。さすがだね。

 ▼ソフトバンク・佐藤投手コーチ 2回からテンポよく腕を振りだしてから良くなった。投手らしいところも出てきた。

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