昨年までとは“別人”!福留 全盛期弾 完璧左腕撃ち

[ 2015年3月18日 05:30 ]

<D・神>8回無死、福留は左越えソロを放つ

オープン戦 阪神1-6DeNA

(3月17日 横浜)
 阪神の福留孝介外野手(37)が17日のDeNA戦(横浜)で待望のオープン戦1号を放った。8回に左腕の岡島から右中間席へ。昨季は9本塁打のうち左投手からの本塁打はわずか1本だったが、もともと相手投手の右左とは無関係の好打者。この日、西岡剛内野手(30)が戦列復帰したが、開幕3番の行方も焦点となってきた。

 一振りで仕留める正確さ。右中間スタンドまできれいな弧を描いた弾道。そして、貫禄十分のダイヤモンド一周…。これぞ、かつて、まばゆい輝きを放っていた頃の福留の打撃だ。

 「タイミング良く振り抜けたと思う。少しずつ打球に角度が付くことは悪くないと思う。きょうの3打席は良かった。知らない投手でもないし、初球からバットを振っていこうと思った」

 0―4の8回、岡島の初球ストレートを完ぺきにとらえた。日本での通算対戦成績(メジャーは対戦無し)は40打数5安打の打率・125、2本塁打。決して相性のよくない左腕からの一発に完全復調の気配が漂う。22打席目でのオープン戦1号。打率も、ちょうど3割。バットが振れていることは数字も明確に示している。

 昨年は9本塁打のうち左投手からは広島・戸田からの1本だけだった。しかし、そもそも首位打者を02年と06年の2度も獲った屈指の好打者に、相手投手の右も左も関係ない。日本での通算207本塁打のうち、左投手から3分の1以上にあたる74本。04年、07年は本塁打数は左投手からの方が多く、11年間の通算の本塁打率も右投手よりも高い。この日、左腕をとらえた一打を目の当たりにした和田監督にも昨年までとはまったく別人のように映っている。

 「もともと左投手を苦にするタイプじゃない。コンディションが良ければ、これぐらい打ってくれる」

 ならば生じる悩みは、開幕3番を誰に打たせるのか…。西岡がこの日に戦列復帰したが、右肘痛の影響からか結果はまだ出ていない。「3番・福留」は14日のロッテ戦(QVCマリン)、そして15日のDeNA戦(横浜)で2度テストし、結果は4打数1安打1打点と3打数1安打0打点と上々だった。

 開幕まで、あと9日。和田監督は「3番はまた、考えます」と思案中で、結論がまだ出ていないことを明かした。4番ゴメス&5番マートンの前を打つのか、後ろを打つのか。福留が、2015年のキーマンになった。

 ≪通算本塁打率は対左が上≫福留(神)の左右投手別本塁打を見ると、通算207本のうち約36%に当たる74本を左投手から放っている。もっとも、1本の本塁打を打つのに何打数かかったかを示す本塁打率(打数÷本塁打)は、右投手の21・5に対し、左投手は20・4と良い数字を残す。昨年の対左投手本塁打は戸田(広)からの1本のみで自己最少。対左投手の通算打率・286が示すように、左を苦にしない打撃スタイルが戻ってくれば、打線にとって心強い。

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2015年3月18日のニュース