由規・貴規にエール 父・均さん「家は家族が守る。野球頑張れ」

[ 2015年3月11日 07:30 ]

ノックを受ける由規

 佐藤家と「3・11」とは切っても切れない縁がある。ヤクルト・由規の父・均(ひとし)さん(54)は「父親(由規の祖父・守さん)の誕生日が大正11年(1922年)の3月11日なんです」と明かす。守さんは02年に他界。震災は午後、墓の掃除に行こうとした矢先に起きた。

 自宅は半壊。だが、幸運もあった。数日前に由規らの記念品を飾るショーケースを発注しており、納品日は12日。「11日までに届いていたらガラスが割れて、もっと大変だった」と振り返る。

 父は次男の由規と、当時ヤクルトの育成選手だった三男・貴規に「野球で勇気と希望を与えてくれ。こっちは心配するな」と告げた。各方面から支援も受けつつ、家業のタクシー会社をフル稼働させて災害と闘った。運転手以外の従業員が総出でLPガススタンドに並び、燃料を補給。石巻市などへ医療器具や救援物資の運搬にも尽力した。

 守さんが始めたタクシー業は昨年50周年を迎えた。来月にはそれ以前に営んでいたマイクロバス運行を長男・史規(ひさのり)さん(28)が60年ぶりに復活させる。貴規は独立リーグ・ルートインBCリーグの福島に入団し新たなスタートを切った。「家は家族が守る。2人には野球を頑張ってほしい」と均さん。震災の前も後も、由規には強い絆の支えがある。 

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2015年3月11日のニュース