能見 圧巻コイ斬り…黒田ばり“省エネ投法”5回53球0封

[ 2015年3月11日 05:30 ]

<神・広>力投する能見

オープン戦 阪神3―0広島

(3月10日 甲子園)
 阪神の能見篤史投手(35)が10日、広島とのオープン戦(甲子園)に先発し5回2安打無失点の快投を披露した。ドラフト1位・野間や鈴木誠、美間ら売り出し中の若手がズラリと並んだ打線に、貫禄を見せつける零封。チームもペナントレースで上位争いが予想されるライバル相手に3-0と完勝した。 

 血気盛んに襲いかかってくる「ヤング広島打線」を、能見が見事に返り討ちにした。これぞベテランと言える投球で危なげなくスコアボードに5個のゼロを並べた。

 「普通と言えば、普通ですよ。チェンジアップがこの前(4日のソフトバンク戦)より全然良かったので。しっかり前回の反省を踏まえた上でのものだった」

 鈴木誠、美間、ドラフト1位・野間…。菊池、丸の主力2人が侍ジャパンに選出されているため、有望株が名を連ねた広島打線だったが、簡単に封じ込めた。初回は1死から梵に死球を献上するものの、高卒3年目の鈴木誠を直球で遊ゴロ併殺。2回も2死から“プリンス”堂林をこれまた140キロの直球で詰まらせ一邪飛に仕留め、無難に立ち上がりを終えた。

 前回は高めに浮いたチェンジアップが低めに制球され、若鯉たちはなかなか的を絞れない。3回には1死一塁から絶賛売り出し中の野間を二ゴロ併殺に打ち取って、プロの先輩として意地を見せつけた。

 「いろんな球場によって状況は違う。寒いのも良い意味に捉えた。寒い中でどう投げるかっていうのもあった。(寒いので)力まないように心がけた。力を入れると上ずるので」

 小雪舞い、極寒と化したマウンドでも、悠然と腕を振った。シーズンで何度か訪れるであろう劣悪な環境にも動じることなく、先発としての役割をきっちり果たした。結局、今春最長となる5回を投げて2安打無失点。被安打も石原、梵のベテランに許したもの。「当てとくわ」と内角攻めを宣言していた新井との対戦は実現せず「楽しみにしてたけど」と残念がったが、若手には1度も快音を響かせなかった。

 球数はわずか53球。8日のヤクルト戦で4回1/3を39球で終えた広島・黒田に匹敵する「省エネ投法」。「広島と対戦する時はいつも球数は少なくなる。ブンブン振ってくるので。(省エネは)そんなに意識していないよ」と首を振ったものの、しっかりと相手打線の傾向をつかんで実践した。

 「外国人(グスマン)を見れたのは良かった。広島はピッチャーが良いので、点数は与えないようにしないと」

 今季も間違いなくライバルとなる広島には昨年、3試合に登板し2勝(1敗)、防御率1・71と相性は抜群だった。今年も“コイ斬り”は臨むところだ。

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