ダル 11日にも治療法決断へ 手術かマー君流PRP療法か

[ 2015年3月9日 05:31 ]

5日のロイヤルズ戦で初回を投げ終え、降板したダルビッシュ(AP)

 レンジャーズは7日(日本時間8日)、ダルビッシュ有投手(28)に右肘内側側副じん帯の部分断裂が見つかり手術に踏み切る可能性があると発表した。10日(同11日)にニューヨークで別の医師によるセカンドオピニオンを受けた上で最終決断を下す。全治1年以上のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)か、あるいは昨年のヤンキース・田中将大投手(26)と同じ保存療法で今季中の復帰を目指すか選択を迫られることになった。

 レンジャーズに衝撃が走った。午前9時すぎ。ジョン・ブレーク広報部長が、6日の磁気共鳴画像装置(MRI)検査でダルビッシュの右肘じん帯に部分断裂が見つかったことと、「もし今季プレーできないようなら残念。最終決断をする前にセカンドオピニオンなどすべての可能性を探りたい」などとする右腕の声明を発表した。

 ジョン・ダニエルズGMは「我々が望んでいたニュースではない」と沈痛な面持ちで、今後については「最終的に決めるのはユウだ。ユウも“セカンドオピニオンをしないといけないなら、やるだけ。時間を無駄にしたくない”と言っていた」と説明。昨年8月に右肘の炎症を訴えてから慎重にリハビリを進め、昨年11月と今年1月の精密検査では、損傷は確認されていなかっただけにショックは大きい。

 メジャーでは手術を検討する際、別の医師の意見を聞くのが通例。ダルビッシュは、10日(日本時間11日)にニューヨークでメッツのチームドクターを務めるデービッド・アルチェック医師(58)の診察を受けることが決まった。同医師はトミー・ジョン手術の権威で、昨年7月に田中が右肘痛を訴えた際にも診察した。田中は手術の必要なしと診断され、患部の組織再生に効果があるという「PRP(多血小板血しょう)療法」を選択した。ダルビッシュも同医師の診断を受け今後の治療方針を決断する見込みだ。

 同GMは、(1)投げ続ける(2)休養とリハビリを経て今季中の復帰を目指す保存療法(3)トミー・ジョン手術――の3つの選択肢を示したが「1つ目はあまりいい選択肢とは言えない」とし、現実的には二者択一となる。手術をしない保存療法を選んだ場合、6週間ノースローで、公式戦で投げるまでは4カ月かかる見通し。順調に行けば後半戦には戻れるが、リハビリ過程で痛みが再発し、最終的に手術を選択した場合、来季中の復帰も危ぶまれる。同GMは「避けられないものを遅らせる、最初の2つのオプションはどうか」とし、契約を3年残す右腕に手術を選択して完治を目指してほしい本音も口にした。

 メジャー4年目にして初の開幕投手が確実視されていたが、一転して長期離脱の厳しい現実を突きつけられた右腕。早ければ2日後に重大な決断を下す。

 ▼レ軍、ジェフ・バニスター監督 彼の決断には口を挟まないが、復帰に必要なことは何でもやっていく。チームは結束して準備を進めていくしかない。

 ▽トミー・ジョン手術 損傷した肘のじん帯を切除し、手首や足首など他の部位から正常な腱を移植する手術。70年代にフランク・ジョーブ博士によって考案され、当時ドジャースのトミー・ジョン投手が74年に初めて受けたことからこう呼ばれている。通常、リハビリには12~15カ月の期間を要する。

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