ダル 右肘じん帯部分断裂…手術なら今季絶望も「ガッカリです」

[ 2015年3月8日 05:35 ]

5日のロイヤルズ戦で初回を投げ終え、降板したダルビッシュ(AP)

 レンジャーズは7日(日本時間8日未明)、右上腕三頭筋に張りを訴えていたダルビッシュ有投手(28)が「右肘側副じん帯部分断裂」と診断されたと発表した。通称「トミー・ジョン手術」と呼ばれる肘のじん帯再建手術が選択肢となり、同手術を受ければ復帰までに1年以上を要することになる。大リーグデビューから3年連続2桁勝利中の右腕は今季、大リーグ4年目で初めて開幕投手を務めることが確実視されていたが、開幕絶望は必至。今シーズンを棒に振る可能性も高い。

 最悪の診断が待っていた。「右肘側副じん帯部分断裂」。肘の再建手術が選択肢に入り、手術を受ければ復帰まで1年以上かかる重症。検査結果を伝えられたダルビッシュは球団を通じ「もし今季欠場となれば、ガッカリです。最終的な判断をする前にセカンドオピニオンを聞くことも含めて全てのオプションを考えたい」とコメントした。

 ダルビッシュはオープン戦初登板となった5日のロイヤルズ戦で右上腕三頭筋の張りを訴え、1回、わずか12球で降板。試合後の会見では「全く心配する必要はないです。失望していたら冗談を言っていられないので」と話し、翌6日の別メニューで行った練習後も「(きのうより)マシ」と軽症を強調。その後、チームドクターのキース・マイスター医師が駆けつけてMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けた。一夜明けてドクターが下した診断は、想像以上に重いものだった。

 昨年7月のオールスターの前日会見。大リーグでヤンキースの田中ら右肘を痛める投手が続出していることに対し、故障防止へ持論を展開したことがあった。「スピード(球速)が上がり、腕をプロテクトできないと(負担が)じん帯に向かってしまう」と話し、メジャーで定着している中4日に「絶対に短い」と警報を鳴らしていた。自身も同8月に右肘の炎症を訴え、シーズンを棒に振っていた。

 迎えた今季。キャンプでは紅白戦に登板するなど順調な回復ぶりを見せていた。ところが、肘に直結する上腕三頭筋を痛めるアクシデント。サド・レバインGM補佐はダルビッシュを「チームにとって重要すぎる選手」と位置付け「シーズンに悪影響を与えるような軽はずみな決断はしない」と慎重な姿勢を示していたが、田中と同じじん帯部分断裂という最悪の事態に発展していった。

 昨年は3月16日のホワイトソックス戦の登板後に首痛を発症し、予定された開幕投手を回避した。今年も開幕投手が確実で2年越しで初の大役を務めるはずだった。2年連続で開幕投手を回避するどころか、開幕絶望。さらに手術を受ければ、今シーズンを棒に振ることになる。「自分の気持ちはチームメートと一緒にあり、焦点はチームの勝利を勝ち取ることです」。そうコメントを続けたダルビッシュだが、厳しい現実が待ち受けている。

 ▽トミー・ジョン手術 損傷した肘じん帯を切除し、手首など他の部位から正常な腱を移植する手術。70年代にフランク・ジョーブ博士によって考案され、当時ドジャースのトミー・ジョン投手が74年に初めて受けたことからこう呼ばれている。通常、リハビリには12~15カ月を要する。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月8日のニュース