本多が遊撃…工藤流新オプション「もしも想定」野手多様化へ

[ 2015年3月6日 05:30 ]

ショートでノックを受ける本多(右は明石)

 工藤流やりくり術だ――。ソフトバンク・本多雄一内野手(30)が5日、ヤフオクドームの全体練習で本職の二塁とは違う遊撃に入った。工藤公康監督(51)は2年連続ゴールデングラブ賞に輝いている今宮健太内野手(23)に万が一が起きた際の備えだと説明。控えの選手を置くのではなく、レギュラーに複数のポジションを守らせることで、ベンチ枠を有効利用する狙い。7日のロッテ戦(QVCマリン)で実戦テストされる。

 新鮮だった。9つのポジションにつき「無死一塁」など、さまざまな場面を想定した打撃練習。二塁が本職の本多は、遊撃の位置にいた。明石との二遊間コンビ結成は今宮が打席の順番だったこともある。ただ理由はそれだけではなかった。

 「オープン戦でテストするか?」と問われた工藤監督は「その可能性は大きい」と即答し、その理由をこう、語った。

 「今宮がもしもの時、守れることを想定した。本来は(ポジションごと)2人ずつが理想だけど、ユーティリティープレーヤーをつくることで、バックアップ(控え)の厚みを高めていきたい」

 遊撃手には2年連続ゴールデングラブ賞の今宮が君臨する。弱点の打撃を差し引いても、控えに回す選択肢はない。それでも、万が一を想定することは監督の役目だ。本多が遊撃を守れば、野手の控え起用はより、多様化し、代打や代走、守備要員を増やすことが可能になる。ここぞの場面では今宮に代打を出せる選択肢も使えそうだ。

 「景色が違いましたね(笑い)。ぼくのショートを見たことのある人はいないんじゃないですか」とは本多。12年6月30日の楽天戦(Kスタ宮城)に1度、試合中に二塁から遊撃へ回ったが、先発出場したのは川崎(ブルージェイズ)がWBCで不在だった1年目の06年3月8日のオープン戦(対ヤクルト、ヤフードーム)にさかのぼる。

 7日のロッテ戦で遊撃・本多のテストが行われる予定。「試合と練習は違うし、打球を受けてみないと分からない。ミスをしてもというくらいの気持ちでいった方が、足も動きますね」と本多。練習では遊撃からのスローイングはやってきた。ただ、試合となれば話は別だ。二塁で2度、ゴールデングラブ賞に輝いた背番号46は、プロ10年目の節目に新たな領域へと踏み出すことになる。

 備えあれば、憂いなし。日本一連覇へ、工藤流はどこまでも貪欲だ。 

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2015年3月6日のニュース