オリ小谷野 “しぶく、しぶとく”実戦初安打 体調上向き

[ 2015年2月28日 05:30 ]

<オ・西>2回2死、右前打を放つ小谷野

練習試合 オリックス4―9西武

(2月27日 高知東部)
 日本ハムからFA移籍したオリックス・小谷野栄一内野手(34)が27日、プレシーズンマッチ(スポーツニッポン新聞社後援)の西武戦(高知東部)に「4番三塁」で今春初めてスタメン出場した。第2打席では右前に“移籍後初安打”を記録。ユーティリティー性と勝負強さを武器に、打線のカギを握る男が開幕に向けて着実に状態を上げてきた。

 技術と反応の一打だった。3回2死、西武2番手・誠の初球、外角真っすぐをとらえた小谷野の打球は一、二塁間を破り、右前へと転がった。「移籍2打席目」での実戦初安打。通算984安打を放ってきた男も納得の内容だった。

 「詰まったけど、バットの出方が悪かったら、あの方向に打球は行かないので」

 安打を放ったことについて「ホッとした」と笑顔を見せる。ただ、収穫という意味で言えば、空振り三振に倒れた1打席目の方が内容は濃密だったと言う。

 「打者の動きを見て、投げる投手。この時期だから言えることだけど、そういう投手との対決はありがたいです」

 相手先発・西口に変化球で追い込まれ、最後は外角スライダーにバットが空を切った。それでもこの試合の課題を「いろんな球種を見る」と定めていた背番号31。通算182勝男が投じる一線級の変化球を打席で味わったことで開幕に向けてスイッチが切り替わった。

 体調も着実に上向いてきた。ここまでオープン戦、練習試合に計3試合出場したが、右腕の張りなどもあり、全て途中出場で守備に就いただけだった。「痛みもないし、意識せず打撃練習からできています」と回復を強調。ベテランの照準はあくまでも開幕、そして長く続くシーズンへと向けられているが、不安材料はなくなりつつある。

 森脇監督も「試合(での打席)は初めてだが、練習から試合を想定してやっている。ああいうヒット、方向も含めて、彼の持ち味」と全幅の信頼を置く。小谷野が新天地でも、しぶく、しぶとく、持ち味を発揮する。

続きを表示

2015年2月28日のニュース