イチロー「バットが杖に見えないように」 平均27歳マ軍にノリで溶け込んだ

[ 2015年2月26日 05:30 ]

マーリンズの真新しいユニフォームをまとい、ウォーミングアップをこなす(左から)ゴードン、サルタラマッキア、イチロー、モース、イェリック

 マーリンズに新加入したイチロー外野手(41)が24日(日本時間25日)、2年半ぶりに背番号51のユニホームを着て、メジャー15年目に向けてキャンプインした。昨季ナ・リーグ本塁打王のジアンカルロ・スタントン外野手(25)ら大リーグ屈指の外野陣を誇るチームでは「4番目の外野手」の位置付けだが、大リーグ契約最年長野手は41歳とは思えない軽快な動きを初日から披露。今キャンプで本気で定位置を奪いにいく。

 新天地でのキャンプ初日を終えたイチローはひと息つくと「放心状態。あすのことすら何も考えられない」。言葉と裏腹に、その口調には充実感がにじんだ。

 マリナーズ時代に同僚だったモースとのキャッチボールでは周囲が約30メートルの距離で行うところを、約70メートルまで広げ地肩の強さをアピール。気温30度の炎天下、最後の60メートルのシャトルラン(往復持久走)でも6セットとも一切スピードを緩めず完走した。

 練習中は「ゲンキデスカ」「アリガトウ」など日本語が飛び交い、背番号51を中心に笑いの輪ができた。ラテン系の選手が多い平均年齢27歳のチームの雰囲気について、「ノリは僕とは違って、ちょっとムネ(川崎宗則)寄りですけど、明るいのは好きなので」。練習後のロッカールームでは、オズナの「彼が通訳をするから日本語で何でも聞いて」というムチャぶりで、日本メディアの通訳までさせられたが、それは早くもチームに溶け込んだ証だった。

 練習開始前の会見。今年10月で42歳となるイチローに対し、米メディアからの質問は年齢に集中した。マイク・レドモンド監督(43)とも2歳しか離れていないとあっては無理もなかったが、イチローは「とりあえずバットが杖(つえ)に見えないように頑張ります」とベテランらしい当意即妙の受け答え。だが、次には真顔でこう続けた。「皆さんから確かに年寄り扱いをされていますけど、僕も(チームの)若手グループに入れてほしい。僕は若いと思っているので、その中にぜひ加えていただきたい」と年寄り扱いを拒否した。

 左翼が23歳のイエリチ、中堅が24歳のオズナ、右翼が25歳のスタントンと外野のレギュラー陣は若く、レドモンド監督は「若手の手本になってくれれば」と期待をかける。ただ、指揮官の言葉を伝え聞いたイチローは「でも(他の選手と)立場は同じ。僕から何か(教える)というのは全くない」と、一選手としての強烈なプライドをのぞかせた。「4番目の外野手」との評価については、「もちろん受け入れます。この時点では」とした上で、「ただ、去年は(ヤンキースで)5番目(の外野手)でしたから、ずっといいです」とニヤリ。控えに甘んじるつもりなど毛頭ない。

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