由規帰ってきた!最速151キロ、1069日ぶりオープン戦登板

[ 2015年2月23日 06:15 ]

<日・ヤ>2回を無失点に抑えた由規

オープン戦 ヤクルト4-0日本ハム

(2月22日 浦添)
 「ピッチャー由規」のコールに、浦添市民球場は大歓声に包まれる。初球は147キロ直球。内角低めに外れたが、再び拍手が起こった。オープン戦登板は12年3月20日巨人戦(甲府)以来、実に1069日ぶり。先発したヤクルト・由規は2回を1安打無失点に抑え、4年ぶりの1軍登板へ第一歩を踏み出した。

 「率直に緊張しました。納得はいっていないけど、ゼロに抑えられたのはよかった」。投手としての本能がうずいた。試合前のブルペン。球を受けた中村は「スピードがなかった。めっちゃ緊張していた」と振り返ったが、マウンドに上がれば力強い球を投げ込み「(ブルペンと)別人のよう」と驚かせた。最速161キロを誇った直球は最速151キロを計測も、三振は一つも奪えなかった。「直球は力んでバランスが悪かった。40点くらい」。ただスライダー、カーブ、フォークと投じた変化球には「思ったところに投げられたし、その感覚は大事にしたい」と手応えをつかんだ。

 右肩痛で11年9月3日の巨人戦(神宮)を最後に1軍登板から遠ざかる。13年4月に右肩を手術し、昨年は6月に2軍戦で2年ぶりに実戦登板した。「勝負の年」と位置付けた今シーズン。故郷の仙台市内の大崎八幡宮に初詣に出掛けた。おみくじは大吉だった。3年ぶりの1軍キャンプ。ブルペン投球、打撃投手をこなし、段階を踏んだ。前日、韓国・LGとの練習試合をスタンドから見ながら「もう今から緊張しています」と漏らしていたが、久々に味わう1軍のマウンドで結果を残し「大勢のファンの前で投げるのは気持ちよかった」と笑みをこぼした。

 2年連続最下位からの巻き返しを目指し、由規の復活は必要不可欠。オープン戦初戦を由規からの完封リレーで白星を挙げた真中新監督は開幕ローテーション入りについて「よければ使います。ライバルはたくさんいると思うが、由規がそこを争うようだとチームとして楽しみ」と期待した。同学年のライバル中田との対決は相手の欠場で持ち越しも、戦う日はそう遠くはない。「計画通りにできている。不安は解消されています」と由規。思い描いてきた本拠・神宮で投げる日は着実に近づいている。

 ▼ヤクルト・高津投手コーチ(由規について)無事に終わってホッとしている。今季は投げ切ってほしいので、いいスタート。

 ▼巨人・中里篤史スコアラー 前のような直球で押すイメージではないがストライクが取れていた。モデルチェンジしたのを感じます。

 ▼中日・竹内昌也スコアラー 前のイメージと違い、変化球でもストライクを取れるようになっている。

 ▼阪神・嶋田宗彦スコアラー スライダーが良かった。腕が振れて、順調にきていると思う。これは厄介になる。計画を練らないと。

 ≪由規復活の道のり≫

 ▼11年9月3日 巨人戦に先発し7回2失点で勝利投手。その後、右肩の張りで戦列を離れる。

 ▼12年4月13日 2軍で社会人の富士重工との練習試合に先発し、8回3失点。その後は実戦から遠ざかる。

 ▼同5月27日 左膝下剥離骨折が判明。

 ▼13年4月11日 右肩のクリーニング手術を受ける。

 ▼14年6月14日 イースタン・リーグのフューチャーズ戦で実戦復帰。先発1回無失点。

 ▼同8月6日 イースタン・リーグの巨人戦に先発した後、右肩の張りを訴える。

 ▼同11月16日 秋季キャンプ中に行われた練習試合、四国社会人選抜戦に先発し2回無安打無失点、5三振を奪う。 

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