広島ドラ1野間 小早川以来球団31年ぶり新人OP戦初戦弾

[ 2015年2月22日 05:30 ]

<巨・広>6回無死、野間(左)が右越えに本塁打を放ち、ベンチの出迎えに笑顔

オープン戦 広島2-4巨人

(2月21日 沖縄セルラー)
 プロ野球のオープン戦は21日、宮崎、沖縄の両県で5試合が行われて開幕した。広島のドラフト1位・野間峻祥外野手(22=中部学院大)が巨人戦に「1番・右翼」で先発出場。6回には12球団の「新人1号」となる右越え本塁打を放った。チームでは1984年の小早川毅彦以来、実に31年ぶりとなる新人のオープン戦初戦本塁打。24年ぶりの優勝へ、黒田、新井のベテラン勢の復帰に加え、頼もしい新戦力が出現した。

 広島の24年ぶりの優勝へ、最大の壁となるであろう巨人もその名を覚えたはずだ。ドラフト1位新人の野間が6回に右越えソロ本塁打。オープン戦初戦でいきなりの“第1号”に「結果を気にせず、積極的にいったのが良かった。緊張はあまりしなかった」と自然と笑みがこぼれた。

 普段は変化球を意識するが「追い込まれるまでは好きな球を待とう」と決めた。速球一本に狙いを絞り、足を上げるタイミングを早める。内寄り高めの速球を引っ張ると、打球は右翼席へ。1メートル80、80キロ。プロ野球選手としては、まだ線の細さの残る22歳が、驚異のパンチ力を見せつけた。

 アマ時代から内角のさばきを苦手としてきた野間。今キャンプでは新井打撃コーチの指導のもと、背筋を伸ばし、顔の位置を固定するフォームにマイナーチェンジ。投手への目線を安定させることでミートポイントへの引き付け、ストライクゾーンの見極めを徹底するためだ。

 この一撃に、ベンチで大喜びだったのが緒方新監督だ。野間の背番号「37」は、指揮官自らが入団時から9年間つけていた番号。「大したもんよ。かなり緊張していただろうけど、いいものを見せてくれた。(持ち味の)広角に打てるというだけでなく、力もある」と絶賛した。

 バットだけでなく、強肩でも魅せた。3回2死一、三塁で金城の右前打を捕球すると、思い切りよく三塁へ。ダイレクト送球でアウトとし、さらなるピンチを未然に防いだ。チームの外野陣は左翼・エルドレッド、中堅・丸は確定的。右翼のレギュラー取りを鈴木、松山らと争う中で好スタートを切った。

 「家族に恩返ししたいんです」が口癖。両親は自身が小学1年時に離婚。母・しのぶさん(50)が女手ひとつで育ててくれた。高校、大学と野球を続ける際には、姉と弟がアルバイトをして用具や合宿費を捻出してくれたという。だからこそ、ハングリー精神の塊だ。「本塁打というより、出塁してかき回してアピールしたい」。この日は2回試みた二盗をいずれも失敗しただけに、まだまだ満足はしていない。

 ▼山本浩二氏(広島元監督)キャンプでの打撃も見たが、ミートポイントでのスイングが速い。その上でヒットにするポイントもいくつか持っている。パンチ力だけでなく、打率も残せる。守備、走力もあるから、首脳陣としては少々の打撃不振でも使いやすい。彼が1番に入ることで、2番の菊池、3番の丸へと分厚い打線になるはずだ。

 ≪小早川以来31年ぶり≫新人の野間(広)がオープン戦初戦の3打席目に本塁打。昨季のオープン戦新人1号は2月22日に吉田(ロ)が日本ハム戦で放ったがチーム2試合目。オープン戦初戦では10年2月20日に松井佑(中)がヤクルト戦で記録して以来5年ぶり。広島の新人に限ると84年2月25日の中日戦で小早川が初打席本塁打を記録して以来31年ぶりになる。小早川は同年の公式戦でチームの新人左打者では最多記録の16本塁打をマークし新人王を獲得。オープン戦での幸先のよいスタートを好結果につなげたが野間はどうか。

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