DeNA“3年に1回”スペシャルシフト練習 走塁にも生きる

[ 2015年2月21日 08:28 ]

一塁ファウルゾーンで中継プレーに入る投手・山口(右)

 DeNAのキャンプ地・宜野湾球場で見慣れない光景が繰り広げられた。走者を一、三塁に置いて、ノッカーが右翼ファウルゾーンへ打球を打ち上げる。落下地点には一塁・ロペス、二塁・石川、右翼・赤堀が向かう。すると、本来は捕手のカバーに向かうはずの投手の国吉が一塁線のファウル側に走り、「ライト!」と大声を張り上げた。

 送球をカットすると、一塁を飛び出した走者を挟殺プレーに追い込み、三塁走者が本塁へ突入したのを見て送球。捕手・嶺井が本塁突入を防いだ。進藤ヘッドコーチは「3年に1回起きるかのプレー。ただ、危機管理で守備を考える意識が生まれてくれたら。逆の立場で走塁にも生きる」と狙いを説明する。

 想定する状況は、同点の9回1死一、三塁のピンチ。浅い右邪飛に一塁手、二塁手も打球を追いかけると、通常は本塁までカットマン不在になる。三塁手が本塁突入を自重した場合、投手が中継に入ることで、一塁走者の二塁進塁を防げる可能性が高まる。キャンプ中に走者を置いて連係を確認したのは中畑監督就4年目で初めてのことだ。

 昨季はリーグワーストの116失策。記録に表れない拙守で相手走者の進塁を許す場面も目立った。投手が中継プレーに入ることはめったにないが、国吉は「こういう練習をすれば、1点もやれない場面で同じような状況になった時に迷わない」と意義を強調する。備えあれば憂いなし。「3年に1度」のプレーに執着する姿勢が守備力の意識向上にもつながる。

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2015年2月21日のニュース