中田 あっぱれ場外特大140メートル弾!張本氏の助言に即対応

[ 2015年2月20日 05:30 ]

<日本ハム・韓国ハンファ>3回無死一塁、場外に左越え2ランを放つ中田

練習試合 日本ハム19―8韓国・ハンファ

(2月19日 名護)
 まさに、あっぱれだ。日本ハム・中田翔内野手(25)が19日、キャンプ地の沖縄・名護で行われた韓国・ハンファとの練習試合で左翼場外へ特大の140メートル弾を放った。14日のDeNAとの練習試合(名護)に次ぐ2本目。18日に同郷・広島の大先輩でもあるスポニチ本紙評論家の張本勲氏(74)からスイング時の問題点を指摘され、すぐさま修正して結果を出した。侍ジャパンでも4番を務める若きスラッガーが、さらなる進化を見せた。

 子供が似顔絵の輪郭を描くような大きな放物線が、名護の空に懸かった。中田のフルスイングから放たれた打球は、左翼スタンド後方の防球ネットのはるか上空を通過。大 きくバウンドし、東シナ海の砂浜に着弾した。推定飛距離140メートル。勝ち誇ったかのような顔でダイヤモンドを駆け抜ける主砲は、「“芯先”ではあったけどしっかりとしたポイントで捉えることはできた。風もあったけどね」と満足そうな表情を浮かべた。

 2点を勝ち越した3回無死一塁。初対戦の右横手投げの変則投手に対し、2ボール2ストライクと追い込まれたが、平常心を保っていた。甘く入った131キロ直球。本来は弾道の低い打撃が持ち味だが、今季の実戦2号はまさにスラッガーの打球だった。

 大先輩からの助言が効いた。前日に通算3085安打を誇る張本勲氏から「打ちにいく時に(トップの)グリップが下がる」と指摘を受けた。テークバックの際に、手の甲1つ分、約4、5センチほどが、理想の位置より低くなっているという。張本氏は「グリップが下がると、押し出すようなスイングになり、バットが波打ってしまう」と解説。14日のDeNAとの練習試合では逆方向への技ありの一発だったが、中田の持ち味はフルスイングでもある。「グリップの位置さえ直せば、あとは大丈夫と言ってくれた」。すぐさま数センチの高さを修正し、より力強いスイングでかっ飛ばした。

 昨季は100打点をマークし、自身初の個人タイトルとなる打点王を獲得したが、張本氏は「(今季は)3割、35本を打てる」と断言。栗山監督も「今年は本当に3冠王を獲れると思っている」と大きな期待を寄せている。オフはランニング中心のメニューと徹底した食事管理で約10キロの減量に成功し、現在は97キロ。キャンプ中も脂質を控えているといい「均等にバランス良くいろんな筋力を使えている」と確かな手応えを感じている。

 後輩・大谷の「芯詰まり打法」ならぬ「芯先打法」で放った豪快な一発。白のランニングシャツとハーフパンツでバットを担ぎながら宿舎に戻る際には「まだまだこれから。まだまだ」と繰り返した。大谷だけではない。「日本の4番」の成長曲線も、右肩上がりのカーブを描いている。

 ▼オリックス・川畑泰博スコアラー 昨年は体が万全でない中であれだけ打った。今年はこれくらい打って当たり前の打者だと思っている。

 ▼西武・亀井猛斗チーフスコアラー さすがジャパンの4番。追い込まれどんな投手か分からない中、本来の打撃ができた。

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