8年ぶり「15」披露 黒田、不惑の決意表明「覚悟持って戦う」

[ 2015年2月19日 05:30 ]

初日からブルペン入りし、貫禄の投球をみせる黒田

 午前8時49分。2次キャンプ地のメーン球場となる沖縄市のコザしんきんスタジアムから一斉に歓声が上がった。地元協力会主催の歓迎式典。視線の先には、背番号15の広島のユニホームに身を包んだ黒田がいた。

 97年の入団から07年まで11年間、背負った愛着ある番号。メジャーではドジャースでも、ヤンキースでも18番だった。黒田にとって8年ぶりの「15」となったが「まだ実感は湧かない。自分のユニホームは自分で見えないので」。それでも今季に懸ける決意は、練習前に組まれた円陣の中でのあいさつで短い言葉に込めた。

 「40歳になり、先は長くないですけど、覚悟を持って皆さんと一緒に戦っていきます」

 広島復帰決断後、初めて報道陣に対応した1月15日のロサンゼルスでの自主トレでも「2桁勝てなければ、区切りをつけないといけない」と言った。あらためて口にした覚悟。「チームの力になりたいと円陣で思った。全身全霊を傾けて投げたい」と付言した。

 14日に帰国したばかり。体調面に配慮し、当面は別メニューとなるが、この日は早速ブルペンにも入った。正捕手の期待がかかる会沢を相手に37球。習得中のカーブが5球、ツーシーム8球、カットボール11球、スプリット4球とスライダー以外の変化球に28球を費やした。「メジャーのキャンプ初日のようなブルペンだった。最初は何も考えずにボールを投げた」。変化球が多数を占める内容には「時期的に投げて(精度を)上げていかないといけない。実戦に入るために」と意図を説明した。

 球場には、鈴木清明球団本部長が「過去最多」と目を丸くする約230人の報道陣が集結。約1000人のファンが集まり、警備員も倍の10人に増やし、5人を黒田専属に充てた。ブルペンが見下ろせる道路端にも見物客。高さ7~8メートルと危険なため、今後は2人を配置する予定だ。

 沖縄で巻き起こるフィーバー。それでも黒田は動じない。「いつ最後のキャンプになるか分からない。ケガをせず、シーズンを迎えたい」。周囲の喧噪(けんそう)をよそに、19年目の球春が静かにスタートした。

 ▼広島・緒方監督 黒田には自分のペースでやってくれと伝えた。選手は積極的に聞いてほしいし、聞くだけでなく、見て学んで盗んでほしい。

 ▼広島・佐藤(今季、日本ハムから移籍。黒田の隣で投球練習)背中越しでしたが、凄い緊張感でした。チラ見させてもらいましたが、凄いコントロールでした。

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