虎ドラ3江越が4安打!セ4球団007震撼…開幕1軍へ手応え

[ 2015年2月14日 05:30 ]

<神・三星>3回裏無死、江越は左前打を放つ

練習試合 阪神5―5韓国・サムスン

(2月13日 宜野座)
 こりゃ本物や! 阪神ドラフト3位の江越大賀外野手(21=駒大)が13日、韓国・サムスンとの練習試合(宜野座)に「1番・中堅」でフル出場し、“プロ初安打”を含む5打数4安打1打点と大爆発した。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の韓国代表に選ばれていた先発左腕・車雨燦(チャウチャン)からも2安打し、詰めかけたセ4球団の007を震撼させた。

 格が上でも屈さない。むしろ、壁が高いほど熱く燃える。それが長崎県は南島原市出身の九州男児・江越だ。11日、日本ハムとの練習試合(名護)では4打数無安打1三振。それでも和田監督は2試合続けて「1番・中堅」で使ってくれた。「同じような結果で終わるのはダメ」―。そう言い聞かせ、WBC韓国代表左腕に対した。

 「自分は振ることによってタイミングを合わせるタイプ。そこで“早い”、“遅れている”がわかる。積極的にいく意識は持っています」

 有言実行だ。初球の141キロ直球を果敢にスイング(結果はファウル)。2球目の変化球は悠々と見逃し、続く3球目。141キロ直球に振り負けず、球足の速い打球で遊撃右を破る中前打。対外試合での“プロ初安打”。「最初の打席で真っすぐをとらえたのは良かった。振り負けないことがテーマ。しっかりと自分のスイングができた」。2打席目は2球で追い込まれながら、1球ファウルを挟んだ4球目のカーブを左前へポトリ。世界を相手に戦った経験豊富なサウスポーをあっさり攻略した。

 止まらない。今度は“プロ初猛打賞”への期待が高まる。投手は右の金健瀚(キムゴンハン)にスイッチしている。展開も3点ビハインド。苦境の中で魅せた一打こそ、価値がある。清水、北條の連打で築いた5回無死一、三塁の好機で、フォークのすっぽ抜けを逃さず痛烈に三遊間を破る反撃の適時打。「変化球にも対応できた。最初は真っすぐ一本で待っていますが、追い込まれたら意識を変える」。この柔軟な野球脳に、ヤクルトの西沢浩一スコアラーも「振り回す感じではないし、ちゃんと考えて振っている」と警戒感を強めた。

 締めは6回2死一塁の第4打席だ。3番手・権五俊(コンオジュン)から遊撃手のグラブを弾く内野安打。8回の最終打席こそ右邪飛に倒れたが、存在をアピールするには十分すぎるヒットパレードを奏でた。

 「最初の4打席はよかったけど、最後ですね。2ボールから外の厳しい球を振った。(2―5で)負けていたし、塁に出ないといけないのに…。守備、走塁にもまだ細かいミスが多いです」

 反省を忘れない謙虚な男だからこそ、成長曲線も右肩上がりになる。伊藤隼、中谷ら外野のライバルがもたつく間に、一気に「居場所」をつかみいく。  

 ◆江越 大賀(えごし・たいが)1993年(平5)3月12日、長崎県南島原市生まれの21歳。小2からソフトボールを 始め、西有家中では軟式野球部に所属。海星では甲子園出場はないが、投手兼外野手で通算26本塁打。駒大 では外野手で3度ベストナインを獲得した。昨年の日米大学野球で日本代表入り。遠投120メートル 以上で、50メートルは5秒8。背筋力220キロを誇る。1メートル82、83キロ。右投げ右打ち。 

 ▼巨人・三沢興一スコアラー 追い込まれても対応していた。変化球をしっかりカバーしていたしね。バットが体に巻き付くあたりは、坂本に似ているかな。

 ▼ヤクルト・西沢浩一スコアラー スイングも速いし、しっかり振っている。振り回す感じではないし、ちゃんと考えて振っているよね。柔軟性もある。構えは長野に似ているかな。

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