巨人ドラ1岡本 初打席初安打&落球 “吉兆”松井氏と全く同じ

[ 2015年2月13日 05:30 ]

2軍の紅白戦で2回2死、成瀬から投手強襲内野安打を放つ岡本

巨人2軍紅白戦 白組4―0紅組

(2月12日 ひむか)
 ゴジラ級のワンマンショーで、将来の4番候補が実戦デビューを果たした。巨人のドラフト1位・岡本和真内野手(18=智弁学園)が12日、2軍の紅白戦に「6番・三塁」でスタメン出場。初打席で投手強襲の内野安打を放った。守備では凡飛を落球(記録は三ゴロ)も「初打席初安打&落球」は、球団OBの松井秀喜氏(40)と全く同じだ。

 どっしりと構えた。2球連続で外寄りの直球を見逃し、カウントは2ストライク。岡本は「直球か、変化球か…」と心中で迷いながらも3球目の直球を叩いた。ワンバウンドの強い打球が投手・成瀬のグラブをはじく。一塁ベースを駆け抜けるとスコアボードに「H」のランプがともった。

 「2球とも手が出ず見逃してしまった。少し受け身になっていた。ただのピッチャーゴロです」

 2軍の今キャンプ初の紅白戦で白組の「6番・三塁」で出場。自身の評価は低かったが、2回2死のプロ初打席でいきなり投手強襲安打を放った。3回はストレートの四球、5回は平良のスライダーに空振り三振もフルスイングを見せた。

 高卒新人とは思えない高い打撃能力。秘密は「安定したトップ」と「右肘の使い方」だ。左足を前に踏み出す際に、トップがブレることなく高い位置で安定しているため、最短距離でバットを出せる。さらに右肘がしっかりと体の正面に入り、右肩も下がらないことでボールに力を伝えやすい理想的なインサイド軌道が実現する。内田2軍打撃コーチも「金属バットで打っていた高校生は右腕がどうしても力んで、肘の使い方が下手。岡本は使い方が柔らかく、しっかり面で打っている」と高く評価する。

 一方で守備でも「見せ場」をつくった。唯一の守備機会だった4回1死一塁で北之園の平凡な飛球を落球。だが素早く二塁に送球して封殺した(記録は三ゴロ)。「普通の高校生なら落球で動揺する。何か持ってるね」と後藤2軍内野守備走塁コーチ。大先輩の松井秀喜氏も入団1年目の93年のキャンプ初の紅白戦でプロ初打席初安打を放ち、外野守備ではいきなり落球した。22年の時を経て、同じ高卒新人が「大物感」を漂わせた。

 9日に一時チームを離れ、前日は奈良県内の母校・智弁学園の卒業式に出席。夜には再び宮崎に入った。不慣れな長距離移動の影響か、居残り特守では終盤に右ふくらはぎをつった。それでも症状は軽く、13日も通常メニューをこなす。

 「自分は長距離を求められている打者。甘い世界ではないし、下手なのも、力がないのも分かっています」。高校通算73本塁打を誇る将来の4番候補は地道に汗を流す。

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