巨人ドラ1岡本 卒業式で誓った「日本を代表する打者に」

[ 2015年2月12日 05:30 ]

野球部の同期たちと卒業証書を手に笑顔を見せる岡本(中央)

 巨人のドラフト1位・岡本和真内野手(18)が11日、奈良県五條市の智弁学園で行われた卒業式に出席。宮崎での2軍キャンプを一時離れ、高校生活の門出を迎えたルーキーは、ある言葉に心を刺激された。

 「理事長先生が良い話をしてくれたので、凄く心に響きました。将来的には日本を代表する打者になることが目標です」

 藤田清司理事長は、昨年NHKの大河ドラマにもなった戦国時代の武将・黒田官兵衛を例に出し、卒業生を送り出した。豊臣秀吉の右腕として支えた天才軍師が参考にした「孫子の兵法」にある、リーダーに必要な5つの資質「将とは、智、信、仁、勇、厳なり」。智は智恵、信は信頼、仁は思いやり、勇は勇敢な行動力、厳は厳しさを意味する。藤田理事長は「5つをバランス良く備え、努力すれば真の将になれる」と説いた。「真の将」すなわち、球界を代表する打者になることを夢に抱く18歳は、厳しいプロの世界を勝ち抜く決意を新たにした。

 ステージ上では卒業証書を受け取り、春夏の甲子園に出場した野球部が表彰された際には3年間の苦楽を回想した。「甲子園に出たことが一番の思い出」。9日夜に帰省し、家族や同級生らと再会。「リラックスできて楽しかった」とつかの間の休息を楽しんだ。
 高校通算73本塁打。プロ野球選手にまで成長させてくれた野球部には、感謝の気持ちを込めて打撃ケージ3台(総額約200万円相当)を寄贈した。実際に目にして「必要な物を贈りたかった。あれだけで凄い近代的な設備になったなと思いました」とおどけながら、後輩の活躍を祈った。

 卒業式後は宮崎に戻った。12日は2軍紅白戦に「6番・三塁」で先発し、実戦デビューを飾る。「これから学校や野球部に恩返しできるように頑張りたい」。将来の4番候補と期待される若武者が、天下統一へ最初の戦に挑む。

 ▽孫子の兵法 約2500年前の中国春秋時代、斉の国の思想家・孫武が記したとされる世界最古の兵法書。それまでの戦法は運や迷信任せだったが、「なぜ勝つのか、なぜ負けるのか」を経験と研究に基づいて分析した合理的な戦術書であり戦略書。後に武経七書の一つに数えられている。現代でもビジネス書や人生哲学書として読み継がれている。

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