大瀬良、初フリー登板で堂林&松山圧倒 中日007驚嘆「15勝する」

[ 2015年2月8日 08:20 ]

フリー打撃に登板した大瀬良

 2年目の進化だ。広島・大瀬良大地投手(23)が7日、今春キャンプで初めてフリー打撃に登板。家族や2人の恩師が見守る中、ブレのない安定したフォームで力強く34球を投げ、堂林、松山を圧倒した。これには視察したヤクルト、中日の007が「15勝してもおかしくない」と驚嘆。右腕もパワーアップした自分を実感しており、今季開幕が早くも楽しみになってきた。

 成長ぶりを感じさせる投球だった。今春初の打撃投手登板。大瀬良は堂林に19球、松山に15球を投げ、ヒット性の当たりをそれぞれ2本ずつに抑えた。34球で4安打。特筆すべきは、結果よりも投球内容とフォームだ。そこにセ・リーグ新人王の進化が表れていた。

 「投げ初めの感触としては悪くなかった。差し込めたし、外のボールも崩れる打球が多かった。カットボールも、より直球の軌道から曲がるようになったと思います」

 変化球を4球投げた以外は直球で押した。ファウルは合計12本。そのうち9本が堂林だ。右打者への外角球は昨秋からの課題。「左打者の外角球には強さがあったけど、右は(力を)ロスしていた」。一塁方向へのファウル量産は、体の開きを改善した成果だった。

 ライバル球団の偵察隊は驚きを隠さない。ヤクルト・衣川スコアラーが「下半身がブレていたのが安定している。右の3本柱(黒田、前田健)に入ってくる」と言えば、中日・善村スコアラーも「体のバランスがいい。15勝してもおかしくないね」と警戒感を強めた。

 そこも今オフの課題の一つ。下半身の力が上半身にうまく伝わるよう、股関節や骨盤を機能的に動かす。1月に東京都内で行った前田健との自主トレで、バランス矯正を重点的に取り組んだ。

 「去年みたいにシュートしたり、スライドするボールが減った。そのトレーニングをやってよかった。感謝しています」

 天福球場にはこの日、母・さつみさんら家族が長崎から応援に駆けつけていた。九州共立大・仲里前監督と長崎日大・金城監督…母校の恩師たちの姿もあった。見守った仲里前監督は「太ももが太くなっている。去年の今ごろとは比較にならない」と目を細めた。

 「仲里監督は褒めて伸ばす方。でも、嬉しいです。あとはセットポジションになって制球がバラけないように。変化球もまだ多く投げていないので精度を上げたい。慢心せずにやります」

 キャンプ初の休日だった前日6日は一岡、飯田らと釣りに初挑戦。油津港で30分間釣り糸を垂らしたが、「何も釣れないのですぐに帰りました」と笑う。体と心をリフレッシュさせながら、大瀬良がペースを上げる。

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2015年2月8日のニュース