ゴメス来日 パスポート盗難も不注意猛省「本当に申し訳ない…」

[ 2015年2月8日 05:30 ]

選手宿舎に到着したゴメス

 阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が7日、関西空港着の航空機で来日。そのまま、春季キャンプを行う沖縄に入った。母国・ドミニカ共和国でパスポートの盗難に遭い、1月28日に予定していた来日がここまで遅れていた。読谷村にあるチーム宿舎で取材に応じたG砲は終始、沈痛な面持ちで言葉をつなぐなど、悲壮感を漂わせ自身の不注意を猛省。8日からキャンプに合流し、開幕までに万全の状態に仕上げることを誓った。

 「あ、ゴメスだ!」。「ゴメちゃ~ん!」。チーム宿舎で出迎えたファンから歓喜の声が挙がったのとは裏腹に、ゴメスの表情はとことん暗かった。盗難被害というバッドラックも、自らを責めることしかしなかった。

 「自分の不用心で、こういう形で遅れてしまって謝りたい。本当に申し訳ない…」

 報道陣の囲み取材中も、1メートル88、104キロの大男の背中は終始、丸くなっていた。笑っても苦笑い…。豪快な本塁打で幾多の勝利に貢献した主砲の面影はこの日ばかりは感じられなかった。

 当初は1月28日に来日する予定も、母国で車上荒らしの被害に遭ってパスポートを紛失。その後、球団が渉外担当者をドミニカ共和国に派遣しサポート態勢を築いたことでパスポートは無事に再発行され4日にも来日できるはずが、今度はビザ(査証)が発給されず再延期。一難去って、また一難と、周囲をヤキモキさせた“ゴメスの悲劇”はようやく終演を迎えた。

 遅れた分を取り戻すべく、最善の準備はしてきた。「ドミニカで練習は続けてきた。ノックを受けたり、バッティングをしたり。こうやって日本に来れたのでこれからは開幕に合わせてきっちりとやっていきたい」と1日でも早いチーム合流を願いながら母国で汗を流してきた。シャープになったあご周りにゴメスの意気込みが表れていた。

 当面は別メニュー調整で様子を見る形となりそうだがチーム合流初日からのフリー打撃再開には「自分としては明日からでもという気持ちはある」と厳しい表情でうなずき、時差ぼけについても「数日で克服したい」と自信を見せた。

 「自分としては初日からチームと一緒にやりたいという気持ちで日本に来ようと思っていたので、申し訳ない気持ちでいっぱい。来年以降、どうなるか分からないが、再来年もチームにいれるのであれば、何とか来年以降は初日からチームと一緒に練習できるようにしたい。(日本語で)スイマセン…」

 契約未定の再来年のキャンプインも見据えて“猛虎愛”を強調した背番号5。昨年も夫人の出産でキャンプ合流が遅れながら、シーズンに入れば打点王を獲得するなど大暴れした。1年後には笑い話になるような“吉兆の出遅れ”としたい。

 【来日までの経過】

 ★1月27日 現地時間26日朝、ドミニカ共和国のゴメスの自宅でマイカーが車上荒らしに遭い、パスポートを保管していたカバンを盗まれたことが判明。予定されていた28日の来日が延期になる。

 ★29日 パスポート再発行のメドが立たず、2月1日の宜野座キャンプ合流が絶望的に。

 ★31日 現状確認のため球団渉外担当者をドミニカ共和国へ派遣。同日ゴメスからパスポート再発行の連絡が入る。

 ★2月3日 今度は就労ビザの発給が遅れ出発できず。4日の来日予定が再延期に。

 ★6日 ドミニカ共和国を出発したとの連絡が入る。

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