岡本、松井氏の道を!感激初対面、大一番での「平常心」継承

[ 2015年2月4日 05:30 ]

松井秀喜氏が見つめる前で鋭い打球を飛ばす岡本

 キャンプ2軍スタートの巨人のドラフト1位・岡本和真内野手(18=智弁学園)が3日、宮崎市のひむかスタジアムでOBの松井秀喜氏(40)と初対面を果たした。フリー打撃で36スイング中、3本の柵越えを放ち、見守った松井氏はスイングを絶賛。2人とも交わした会話の内容は明かさなかったが、将来の4番候補は大舞台で勝負強さを発揮する松井氏を目指すことを誓った。

 純朴な高校生の表情に戻っていた。岡本はフリー打撃を終えると、松井氏の元へ駆け寄り、握手を求めた。直立不動で1分間。手ぶりを交えて話す松井氏の金言に聞き入り、頭を下げた。

 気になる会話の内容は…。答えは同じだった。

 岡本「頑張れ、ということを言われました。全部内緒です」

 松井氏「一言でいうと、頑張ってください、ということ。詳しいことは言わない方がいいでしょう。(手ぶり?)そのへんは2人だけの話でいいと思います」

 左右こそ違うが、ともに高卒ドラフト1位の大砲。初対面はフリー打撃直前の一塁ベンチ裏だった。「凄いオーラがあった。全てが大きくてびっくりした」。松井氏に打撃を披露するために急きょ、打つ順番を第1グループに変更。松井氏はグラウンドに足を踏み入れると、打撃ケージ裏から熱視線を送った。

 偉大な先輩であり、国民的スターが見つめる中でも、岡本は「平常心」だった。初日は緊張もあって柵越えはなかったが、前日は6発。この日は打撃投手相手に36スイングで柵越え3本だ。左中間の防球ネット(高さ約20メートル)中段に直撃する推定125メートル弾も放った。「もっと多くの人が見ている中でやるのがプロ。リラックスして振れるようになってきた」と岡本。松井氏は「センター中心に素晴らしい打球が飛んでいたし、スイングも力強い。素晴らしい打者」と絶賛した。

 松井氏が特に注目したのが、スイングだった。「軌道が一定。バットが内からしなるように出てくるし、安定して球を捉えている。金属バットをずっと使っていた印象を受けない」。岡本が打撃で意識するのは2点のみ。バットを「最短距離で出す」「内側から出す」ことだ。思い描いたイメージを実践し、非凡な潜在能力を松井氏の目の前で実証してみせた。

 岡本の脳裏に深く焼き付いている姿がある。松井氏がヤンキース時代の09年ワールドシリーズで放った3本の本塁打だ。打率・615、8打点を残しMVPにも選ばれた。「味わったことのない緊張感の中で本塁打を打てて凄い」。重圧の中でも自分のスイングを貫き、結果を残す姿はまさに岡本の理想像といえる。

 高校通算73本塁打を誇る18歳にとって夢のようなひととき。「もっともっと練習して、少しでも近づけるようにバットを振り込みたい」。松井氏の言葉を胸に刻み、でっかい男になる。

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