指揮官も感嘆!岩下、夏の救世主へ コーチ絶賛“西野+唐川”

[ 2015年2月3日 05:30 ]

唐川の安定感、西野の球威、首脳陣をうならせたドラフト3位・岩下

 石垣島キャンプ2日目。2軍を初めて視察したロッテ・伊東監督から熱視線を浴びたのは、ドラフト3位の岩下(星稜)だった。立ち投げで40球、捕手を座らせて20球。1メートル81の長身右腕は全て直球を投げ込み、指揮官を「高校生にしては精度の高い投球だった。体つきも、バランスもいい。マウンド度胸も良さそうだね」とうならせた。

 「2日連続でブルペンに入りましたが、入れるだけ入りたい。自分の(投球の)形をつくることを意識して投げている」と岩下。昨夏の石川大会決勝で小松大谷を相手に9回に8点差を逆転した「ミラクル星稜」のエースだ。最速146キロを誇る18歳。小谷2軍投手コーチと話し込んだ伊東監督は「小谷さんと夏くらいから出てきてほしいと話したんだ」と先発候補として期待を寄せた。あの夏から1年後。先発陣が苦しくなる夏場に救世主になるかもしれない。

 今年の高卒新人には楽天のドラフト1位・安楽(済美)や西武の同1位・高橋光成(登録名=前橋育英)ら注目投手が多い。岩下は高1の秋に安楽と練習試合で初めて投げ合い、0―0で引き分け。お互い9回無失点で勝敗は付かなかった。好きな言葉は「勝ち気」という右腕はライバル心を燃やすどころか、こう言い放った。「こんな言い方をしたら申し訳ないですが、プロで1勝もしていない選手を意識しても意味がない。プロで100勝、200勝している投手はたくさんいる。そういうレベルの選手を意識したい」

 巨人コーチ時代に内海らを育てた小谷2軍投手コーチが「テークバックとトップをつくる動きが西野に似ている」と言えば、松本尚樹編成統括は「フォームの流れが唐川にダブる」と評する。「西野×唐川」。侍ジャパンの守護神と、通算49勝右腕のいいとこ取りである。カーブに縦横の2種類のスライダー。さらにフォークと球種も豊富で、将来のエース候補として期待が懸かる逸材だ。

 キャンプ初の実戦となる14、15日の1・2軍合同紅白戦でデビューする可能性もある。「自分がやることをやっていればチャンスは必ずあると思う」。キャンプ2軍スタートだが、実戦で結果を残せば「大逆転」で1軍に昇格するかもしれない。 

 【岩下大輝】
 ★生まれ 1996年(平8)10月2日、石川県能登町生まれの18歳。
 ★経歴 小学1年から「内灘エンゼルス」で外野手として野球を始める。同3年から投手。星稜中、星稜高に進み1年秋からエース。
 ★甲子園 2年夏は初戦で鳴門(徳島)に敗れる。3年夏は1回戦で静岡、2回戦で鹿屋中央(鹿児島)を下すも、3回戦で八戸学院光星(青森)に敗れる。
 ★サイズ 1メートル81、80キロ、足のサイズ28センチ。右投げ右打ち
 ★遠投 105メートル
 ★憧れ 広島の黒田投手
 ★家族 両親、姉2人
 ★好物 味噌汁、ウニ
 ★趣味 スノーボード
 ★好きな芸能人 女優の三吉彩花

 ▽昨夏石川大会決勝VTR 7月27日、石川県立野球場で星稜―小松大谷が対戦。星稜の先発・岩下は3回までに6失点で降板したが、0―8の9回に再びマウンドに上がり、3者連続三振の快投を見せた。流れを引き寄せた直後の攻撃では、8安打を集中する打者13人攻撃で9点を奪って逆転サヨナラ勝ち。岩下は9回に2点差に迫る2ランを左翼場外に運んだ。

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