拡声器、個別メニュー導入…デーブ監督 初日は「100点です」

[ 2015年2月2日 05:30 ]

「一致団結」と書かれた誕生日を祝うケーキを持って笑顔の大久保監督

 プロ野球は1日、宮崎、沖縄の各地で12球団が一斉にキャンプインした。沖縄・久米島の楽天は、この日に誕生日を迎えた大久保博元新監督(48)が拡声器を使っての指導や1、2軍施設を併用しての個別メニューなどを導入。初日から独自色を全面に出して采配を振るった。一昨年の日本一から昨季最下位に終わった雪辱を期し、「常勝軍団」への成長へ第一歩を踏み出した。

 午前中に行われた投内連係の最中だった。へばり気味の新外国人ウィーラーに対し、大久保監督が拡声器で「おいおい、ウィーラー大丈夫か!」と声を飛ばすと、ナインに笑いが起きた。指示や激励、時には冗談。拡声器からの指揮官の声が球場に響き渡った。

 V奪回を目指すチームは、元気と笑いに満ちたスタートを切った。ベテランの松井稼も「監督がよく動かれてコミュニケーションを取られるので明るく出来ますね」と話した。初日を振り返った大久保監督は「100点です。今日死んだとしても“本当によくやった”という満足感がある」と胸を張った。

 今キャンプは「チームとしては仕上げの段階」と位置づけ、選手個人には個別メニューとなる「オーダーメード」練習を課している。この日はランチ特打を終えた枡田と森山を練習中に約10キロ離れた2軍の仲里球場に移動させ、打ち込みに集中させた。11日までは1、2軍をはっきり振り分けせず、個々のメニューに合わせて移動させる独自色も初日から打ち出した。

 前日のミーティングでは「(1)明るさ(2)責任感(3)リーダーシップ」を選手に求めた。レギュラーは全員白紙とし、「機動力があり、守れる選手からポジショニングしていく」と明言。本来は足を動かすことが目的の四カ所ノックでは「エラー禁止」を通達した。リラックスだけではない、1球を大事にする緊張感も植え付けた。

 この日は48歳の誕生日。練習前には球場にバースデーソングが流され、球団からサプライズでケーキが贈られた。朝には監督就任を反対して続けてきた母親から電話があり、「(キャンプインの)2月1日に生まれたのは野球をやるため」と初めて激励されたという。もう迷いはない。

 ド、レ、ミ…の音階を使ったユニークなシャトルランや野手全員参加の四カ所ノックなど「僕の背中には星野SA(シニアアドバイザー)がいてくれる」と星野前監督の練習を継承。その上で独自のカラーも出していく。最下位からの巻き返しへ、大久保監督の挑戦が始まった。

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2015年2月2日のニュース