松坂 復活の約束「イチローさんに気にしてもらえる存在で」

[ 2015年1月30日 05:30 ]

キャッチボールをする松坂

 自主トレを公開した福岡市の西戸崎合宿所を車で後にすると、門の前には50人以上のファンが待っていた。ソフトバンク・松坂は一人一人に丁寧にサインした。メジャー時代と同じ英語で書き、背番号の「18」を加えた。「福岡に来てくれてありがとう」。男性の声に笑顔でうなずいた。

 「本当にありがたいことです。期待してくれる人にしっかりと応える働きをしないといけない」。昨年12月5日の入団会見以降、公の場から姿を消した。「僕は何年も先発として年間やっていない。言葉で何かを言っても仕方がない」。取材依頼も全て断った。日本復帰に伴う所用で日米を2度往復する多忙の中、限られた時間を見つけ、トレーニングを重ねた。この公開練習ではキャッチボールでスライダーなど全球種を投じ、直球は130キロを超えた。「(キャンプインの)2月1日にブルペンには入りません。周囲を見るより、自分のペースで開幕に100%にする」と自らの調整に自信を持っている。

 9年ぶりに戻った日本で結果を残すことを約束した人がいる。イチローだ。入団会見前日の昨年12月4日、福岡入りを前にイチローが練習の拠点とする神戸に立ち寄った。「相談がないじゃないかよ」。先輩の言葉に「相談したくてもできなかったんです」と言い、日本復帰を決めた経緯を説明した。そして今月下旬、イチローからマ軍入りの連絡を受けた。「対決は持ち越しだな」。その言葉で、松坂の心に火が付いた。「日本と米国で離れるけど、遠くは感じない。イチローさんの存在をいつまでも追いかける。イチローさんにもずっと気にしてもらえる存在でいたい。いつか対戦できるように」。新たなモチベーションが、日米通算164勝を誇る34歳右腕に加わった。

 イチローの入団会見の模様は携帯電話でチェック。新しいユニホーム姿を目に焼き付けた。「久しぶりですね、背中にICHIROと入るのは。イチローさんは必ずこれまでと変わらない成績を残されると思う」。もちろん、負けてはいられない。 

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