大谷 3月代表戦は野手専念 ハム開幕投手見据え二刀流回避

[ 2015年1月27日 05:30 ]

稲葉SCO(右)が見つめる中、フリー打撃をする大谷

 3・10、侍ジャパンで野手デビューだ。日本ハム・大谷翔平投手(20)が、3月10、11日に侍ジャパンが欧州代表と行う強化試合(東京ドーム)に「打者・大谷」として臨む。大本命とされる開幕投手を見据え、3月12日のロッテとのオープン戦(鎌ケ谷)に登板する予定で、今回は野手に専念する。昨年11月に行われた日米野球では投手として快投を演じた怪物が、今度はバットで世界に衝撃を与える。

 侍ジャパンの小久保監督は各球団の春季キャンプを視察し、2月6日に日本ハムのキャンプ地、沖縄・名護を訪れる予定。そこで正式に大谷の侍ジャパン入りを栗山監督に要請することになる。この日、先乗り合同自主トレが行われている沖縄・名護を訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀打撃コーチ(日本ハムスポーツ・コミュニティ・オフィサー)は「小久保監督は翔平(大谷)を投手としても、打者としても欲しがっていると思う」と二刀流での出場に期待を寄せたが、今回は野手に専念することになりそうだ。

 理由は開幕までの調整の問題だ。大谷は昨年、チームトップの11勝を挙げ、開幕投手の大本命。首脳陣も3月27日の楽天との開幕戦(札幌ドーム)を見据え、逆算してローテーションを組んだ。まず、2月9日の紅白戦(名護)で中継ぎとして実戦初登板。そこから中6日以上の間隔を空けて投げさせる方針で、大谷は3月12日のロッテとのオープン戦(鎌ケ谷)に登板することになる。

 侍ジャパンの欧州との強化試合は同10、11日。登板前日もしくは前々日となるため、短いイニングでも投げさせることが不可能となる。そのため、10日の最初の試合に「DH」として出場することが濃厚だ。栗山監督も大谷の調整面を懸念し、「ローテーション次第では(同強化試合は)野手での出場になるかもしれない」と話していた。

 大谷は昨年11月の日米野球でメジャーのオールスターチームを相手に侍デビュー。今回、最速162キロを誇る剛腕を披露することはできないが、昨季10本塁打を放ったバットでも貢献することはできる。しかも侍ジャパンの不動の4番は同僚の中田。日の丸を背負っても中田とクリーンアップを組むことになる。

 大谷はこの日、先乗り合同自主トレでブルペン入りせず、フリー打撃で55スイング中2本の柵越えを放った。野手中心のメニューで第1クールを終え、「全体的に良かったと思います」と充実感をにじませた。

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