楽天ドラ1安楽 春季キャンプ1軍スタート デーブ監督明言

[ 2015年1月6日 05:30 ]

西日本最高峰・石鎚山を背にランニングで汗を流す安楽

 楽天のドラフト1位右腕、安楽智大投手(18=済美)の沖縄・久米島での春季キャンプ1軍スタートが5日、内定した。大久保博元監督(47)が言及したもので、球団の高卒新人では2007年の田中(現ヤンキース)、昨年の松井裕に続く3人目となる。安楽は同日、愛媛県松山市の済美球技場で練習を公開。2日連続のブルペン投球で、一昨年に痛めた右肘の回復ぶりをアピールした。

 鋭く伸びる球筋、重い球質。最速157キロを誇る安楽が、プロ入りへの決意を込めるように力強く18球の直球を投げ込んだ。新年「初投げ」となった4日の約100球に続いて、捕手を立たせて、2日連続のブルペン入りだった。

 「まだ10割ではないけど、(右肘の)痛み、違和感は全くない。これから徐々にボールが走ってくればいい」

 済美2年時の13年。センバツで準優勝投手となりながら同年秋に右肘を故障。昨年の正月は山なりのボールを投げるのがやっとだった右腕が、復活をアピールした。

 この日、仙台市内の室内練習場を視察に訪れた大久保監督は、安楽について「キャンプは1軍でやらせたい。先輩と話をして学ぶこともある。英才教育を受けさせたい」と、春季キャンプは基本的に1軍スタートさせる意向を明かした。昨秋のドラフト直後は「1軍で無理をして壊れた、というのは最悪。2軍からでいいんじゃないか」と話していた指揮官の方針転換。エース・則本や正捕手・嶋らとともに練習することが好影響を及ぼし、成長につながるとの判断だ。

 安楽にとっても望むところだ。「2月1日から(ブルペンに)行けと言われたら、行けるよう準備する」と言い切った。その準備に余念はない。昨夏の愛媛大会3回戦で敗退後、「プロに行く以上、パフォーマンスを上げないと」と、インターネットで目にした大谷(日本ハム)や菅野(巨人)の練習法を参考に、この冬はこれまで封印してきた上半身の筋力トレーニングにも取り組んできた。

 早くも体の変化を実感している様子で、体重は87キロから90キロに、体脂肪率は15%から12%までダウンした。プロの投手の場合、体脂肪率は15%前後の選手が多く、過去の計測ではソフトバンク・松坂は15%、巨人・菅野は16・7%、ヤンキース・田中は17%。プロ入りを前に、球界を代表する投手の数字を早くも上回った格好だ。

 昨年12月20日には、恩師で9月に胆管がんで死去した済美の上甲正典前監督(享年67)の墓参りをしたといい、「プロに入るにあたり、これから頑張ってきます」と報告。「(キャンプでは)開幕ローテーションを目指してしっかりやっていきたい」と安楽。キャンプ1軍スタートは通過点。目標はあくまで即戦力、開幕1軍だ。

 ≪イチローは体脂肪6%≫体脂肪率は「体脂肪量÷体重×100」の計算式で求められる。一般人の理想とされるのは男性16%、女性25%前後。プロ野球では投手が平均で15%、野手が10%前後とされ、その中にはイチロー(ヤンキースからFA)が6%、糸井(オリックス)が8%と1桁台の選手も多い。サッカーの世界では1桁が当たり前で、本田圭佑(ACミラン)が7%。5%以下の選手も数多くいる。マラソンなど陸上競技の選手も体脂肪率は低く、アテネ五輪金メダルの男子ハンマー投げ・室伏広治はわずか3%。ボクシングではロンドン五輪ミドル級金メダルの村田諒太が7%とされる。

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