由伸 来季は完全分業 原監督“選手と兼任コーチの時間区切れ”

[ 2014年12月31日 05:30 ]

コーチ兼任となった巨人・高橋由

 巨人・原辰徳監督(56)が30日、コーチ兼任となった高橋由伸外野手(39)に対し、時間ごとの「分業制」を提案した。将来の監督候補である高橋由の、指導者としての第一歩。選手、コーチとそれぞれの役割を明確に時間で区切ることでメリハリをつけ、最大限の効果を生むことを目指す。

 ミーティングではコーチ、全体練習では選手、そして、居残り練習では再びコーチ…。高橋由が華麗に2つの顔を使い分けることになりそうだ。「キャンプでも何時から何時まで、あるいは練習はここまでは選手、それ以降はコーチというふうに。中途半端にコーチ、選手と混合した形でやることはない」。原監督は説明した。

 10月末、秋季練習の時点で原監督は「2つを使い分けてくれ」と高橋由に伝えていた。今回の発言は、さらに踏み込んだ形。時間ごとにコーチと選手の役割が入れ替わるという考え方は、シーズン中についても同じだ。「25人の(ベンチ入り)メンバーに入っているのならば試合中は選手。しかし、(交代して)役割が終わるとか、メンバーに入っていないならばコーチ。ゲームが終わればコーチ」。スイッチの切り替えを繰り返すことを望んでいる。

 指揮官の意向は、「選手・高橋由」にとっても大きな効果をもたらしそうだ。過去2シーズンは故障に悩まされ、いずれも出場100試合に達していない。「指導も大事ですが、まずは自分のことから。レギュラーを目指して練習する」と定位置奪回に燃えている中、全体練習では自身のことだけに集中できることになる。

 原監督は今月上旬の優勝旅行中、これまで比較的寡黙でマイペースだった高橋由が周囲に気を配り、声を掛ける姿に変化を感じ取った。自身も経験がない選手兼コーチの難しさを察するからこその「分業」の提案。「2つ(同時に)経験できるというのは、ジャイアンツの歴史の中でもそうはいない。僕は敬意を表していますよ。だから楽しみですね」。高橋由の新たな姿は、来季スローガン「新成」の核となる1ピースだ。

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2014年12月31日のニュース