楽天デーブ監督 本社納会で英語スピーチ カンペなし1分間

[ 2014年12月30日 05:30 ]

「協」と書かれた色紙を手にする大久保監督

 さすがデーブ!楽天の大久保博元新監督(47)が29日、都内で行われた楽天グループの納会に出席した。現役時代に米国へ野球留学の経験がある指揮官は、第16代米大統領エーブラハム・リンカーンの有名な演説を用いながら、流ちょうな英語でスピーチ。来季の優勝を宣言し、最後は1年契約ながら、来季の出席にも意欲を示した。

 約3000人の社員を前にしても、動揺は一切ない。楽天の社内公用語が英語となった10年から恒例となっている英語でのスピーチ。大久保監督は堂々と約1分間あいさつし、大歓声を浴びた。

 「my baseball of the Rakuten、by the Rakuten、for the Rakuten(楽天の楽天による楽天のための野球をやります)」

 引用したのは、元米大統領リンカーンの有名な演説。「People(人民)」を球団名に置き換えて、チームが優勝するために、身を粉にする覚悟を力強く表現した。

 大久保監督は西武時代の86年に、田辺現西武監督らとともに米サンノゼに1年間の野球留学を経験。「デーブ」の愛称はその時についたものだ。「選手と話すぐらいならできたけど、英語でスピーチするのは初めて」と言うが、しっかり準備もしていた。前夜、西武時代の同僚だったバン・バークレオ氏(現インディアンス打撃コーチ)に国際電話をかけて相談。「自分の言葉がいいよ」とアドバイスをもらい、自信を深め、リンカーンの言葉を選んだ。

 松井裕、銀次ら若手選手がメモを見て話すなど悪戦苦闘したのに対し、手に握ったのはマイクだけ。「I need winning the championship!(優勝したい)」と宣言し、1年契約ながらスピーチの最後は「I’ll be back(また戻って来ます)」との言葉で締めた。これには三木谷浩史オーナーも「意外としゃべれるんだね」とご満悦の様子だった。

 来季のスローガンは「一致団結」。大久保監督は「しゃべることはできたけど、(社員に)通じているのかが分からないな」と振り返ったが、まずは得意の英語で社員のハートをがっちりつかみ、グループ全体で戦う姿勢を呼びかけた。

 ▽ゲティスバーグ演説 米国のリンカーン大統領が、1863年11月19日にペンシルベニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地で行った演説。「人民の人民による人民のための政治」を固く誓い、世界で最も有名な演説の一つとされている。

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2014年12月30日のニュース