巨人・阿部 年内無休で“強振”「打つ方で駄目だったら辞める」

[ 2014年12月26日 05:30 ]

マシンで打撃練習を行う阿部

 巨人の阿部慎之助捕手(35)が25日、異例の年内無休を宣言した。前日に続き、川崎市のジャイアンツ球場でマシン打撃を行い、大みそかまでトレーニングを行う考えを表明。捕手から一塁手へ転向となる15年は、「SWING HARD」(強振)をテーマに掲げた。新打法完成、そして打棒復活へ、ひたすらバットを振り続ける。

 一人でボールを打撃マシンに入れ、バッターボックスに戻って黙々とバットを振った。人けのない室内練習場。123回のフルスイングで、汗も大量に噴き出した。

 「やれる時にやっておかないとね。31日までやるよ。都内の施設でもバットも振ることができるからね」

 球界最高年俸の主軸が年の瀬にバットを握ることがあっても、フルスイングを繰り返すことは極めて異例だ。しかも、ジャイアンツ球場が26日で閉鎖されても、バットを振る決意だという。今季は首痛などの影響から打撃不振に陥り、打率・248、19本塁打、57打点。すでにシーズンオフから食事面などの見直しによる減量にも成功。「ちょくちょく(練習は)やっているからね。いつもより全然いいよ」と本人も自覚する引き締まった体の切れは、シーズンオフとは思えない高いレベルにある。

 来季のテーマは「SWING HARD」。この日身にまとったTシャツの胸にはその文字が記されていた。「別にそれにかけたわけじゃないよ」と笑い飛ばしたが、理由はある。「強く振らないと、しっかりとした形を作ることはできないから」。大幅な打撃改造へ着手した阿部にとって、試合に近い状態でなければ、修正点も見つからない。今季までバットを揺らしながら球を待ったが、上半身の動きは最小限に。逆に下半身はこれまで右足を上げるだけだったが、右足に一度、体重をかけてから左足に体重移動して右足を上げる形へと改造する。その動きを全身に刻み込むには時間も必要となる。

 正捕手から一塁手に転向する来季について「打つ方で駄目だったら辞めるという覚悟を決めてコンバートされた。それぐらいの気持ちで挑戦しようと思っている」と話している。来年1月早々には、自主トレ先のグアムへ出発。新たな姿へと変貌する作業に、クリスマスも正月も関係ない。

 ≪阿部過去のテーマ≫

 ☆自覚(03年)プロ3年目のシーズンを控え「レギュラー捕手として140試合フル出場をしないと」。

 ☆べしゃり(しゃべり)を研究(05年)1月3日にデーブ大久保氏(現楽天監督)とトークショー。「パクリは嫌。試合終盤にファンが帰ってしまうのは寂しい。印象付ける何かを考えないと」

 ☆緊張(07年)プロ7年目を迎え「慣れが一番怖い。日本シリーズみたいに毎試合わざと緊張して臨みたい」

 ☆笑(08年)「いつもファンの目を意識したい」と看板選手としての自覚も。

 ☆無事故(09年)第2回WBCを控えた新年。「大きな事故がなければWBC優勝やリーグ3連覇もできる」

 ☆熱(10年)新年恒例の書き初め。「下の部分を“力”に変えれば“勢”になる。最初は熱くなって、ここぞで力を加えて勢いに乗りたい」と説明した。

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