イチロー オリオールズ急浮上 米メディア「一番先に彼に接触した」

[ 2014年12月20日 06:30 ]

外野手補強が急務なオリオールズの獲得候補として急浮上したイチロー

 オリオールズが、ヤンキースからFAになったイチロー外野手(41)の獲得に関心を示していると、CBSスポーツ(電子版)が18日(日本時間19日)に報じた。今季、17年ぶりにア・リーグ東地区を制したオ軍は外野手の補強が急務。日米通算4122安打をマークし、メジャー通算3000安打に残り156本と迫っている「レジェンド」が、獲得候補として急浮上してきた。

 ヤンキースを叩き、今季ア・リーグ東地区を17年ぶりに制したオリオールズが、イチローの新たな移籍先に浮上した。CBSスポーツの看板記者、ジョン・ヘイマン氏が、「オ軍がイチローに関心を持っている。(今月8~11日の)ウインターミーティングではあまり他球団の興味を引いていなかったが、オ軍は一番先に彼(の代理人)に接触した」と伝えた。

 これを受けて、他の米メディアも一斉に報道した。「コムキャストスポーツ」のオ軍担当記者は、「2人の大リーグ球団のスカウトが、今でも攻撃面で十分に力を発揮できると評価している」と伝えた。

 オ軍は今季のア・リーグ本塁打王で、左翼兼指名打者の4番クルーズがマリナーズへ移籍。さらに「1番・右翼」のマーカーキスがブレーブスへFA移籍し、外野で2枠の補強が急務となっている。ウインターミーティング中、ダン・デュケット編成本部長はスポニチ本紙の取材に「イチローとも青木ともサインしたい」と熱を込めて話していた。

 米誌が選ぶ今年の「最優秀編成幹部」に輝いたデュケット本部長は、限られた予算内で巧みな補強をすることで有名だ。今オフは、トレードで有力選手を獲るために若手を放出することには消極的。FA選手獲得に狙いを定めている。その中で現在の市場価値が年俸200万ドル(約2億3800万円)前後の単年契約とみられるイチローは、「お買い得」といえる。

 また、オ軍のバック・ショーウォルター監督は今季、自身3度目のア・リーグ最優秀監督に選出された名将。03~06年にはレンジャーズの指揮を執っており、同じア・リーグ西地区のマリナーズに所属していたイチローの全盛期も知り尽くしている。今年のヤ軍同様、開幕時は控えスタートとなる可能性もあるが、要所で結果を出せば出場機会が増えることは間違いない。

 イチローが移籍先を選ぶ条件の一つである「優勝を狙えるチーム」にもフィットするオ軍。本拠地オリオールパークでは通算打率・354と相性もいい。残り156本と迫るメジャー通算3000安打の金字塔とともに、古巣のヤ軍を敵に回してア・リーグ東地区連覇が来季の目標となるのか。今後のオ軍とイチローの動きから目が離せなくなってきた。

 ▽ボルティモア・オリオールズ 1901年にミルウォーキー・ブルワーズ(現ブルワーズとは別球団)として設立。翌02年にセントルイスへ移転し、54年のボルティモア移転に伴い球団名がオリオールズに。ワールドシリーズ優勝3度、リーグ優勝7度。今季は97年以来の地区優勝を果たし、リーグ優勝決定シリーズでロイヤルズに敗れた。2632試合連続出場の大リーグ記録を持つカル・リプケンがOB。本拠地球場はオリオールパーク。日本選手は過去に上原(2009~11年途中)、和田(12、13年)が在籍した。

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