巨人が清武氏に勝訴 読売会長批判で代表解任

[ 2014年12月18日 19:29 ]

 プロ野球巨人のコーチ人事に不当な介入があったと記者会見で批判し、球団代表を解任された清武英利氏(64)と巨人側が互いに損害賠償などを求めた訴訟の判決で東京地裁は18日、清武氏に計160万円の賠償を命じた。解任は正当だったと認め、清武氏の請求は全て棄却した。

 清武氏が2011年11月に記者会見を開き、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長(88)がコーチ人事に不当に介入したと批判したことがきっかけで訴訟合戦となった。巨人側は会見後に「取締役として不適格だ」として清武氏を解任。訴訟で巨人側は1億円の損害賠償を求め、清武氏側は「不当な解任だ」として、約6千万円の賠償などを求め反訴していた。

 大竹昭彦裁判長は、清武氏が球団の了承なく会見した上、非公開の人事案を公表して頓挫させたことが「取締役としての注意義務違反に当たる」と指摘。解任は正当な理由があると判断した。

 さらに、会見での「決まっていた人事を渡辺会長の鶴の一声で違法にも覆そうとした」「私の解任はコンプライアンス違反を隠すため、報復のためで違法、不当だ」との発言が「巨人側の名誉を傷つけた」と認めた。

 両者はほかにも複数の訴訟を起こして争っている。今年6月の口頭弁論では渡辺会長と清武氏の証人尋問があり、コーチ人事権について「僕の承認が必要だ」とする渡辺会長に、清武氏は「人事権は私にあった」と反論するなど応酬を繰り広げた。

 清武氏は控訴する方針。巨人側は「妥当な判決だ」とのコメントを発表した。

続きを表示

2014年12月18日のニュース