楽天 メジャー61発の新4番獲得!大乱闘で武勇伝の“熱い男”

[ 2014年12月17日 06:15 ]

今季パイレーツでプレーしたサンチェス

 楽天が、来季の新外国人として、パイレーツからフリーエージェント(FA)となったガビー・サンチェス内野手(31)を獲得することが16日、分かった。この日までに基本合意に達し、メディカルチェックを経て、近日中に正式発表される。1年契約で年俸は2億5000万円プラス出来高払いとなる見込み。メジャー通算7年間で61本塁打、508安打でパワーと確実性を持つ同選手は、今季限りで退団したアンドリュー・ジョーンズ外野手(37)に代わる「4番・一塁」として期待される。

 最下位からの巻き返しを狙う上で、最大の課題だった「4番」というピースが埋まった。仙台市内の球団事務所で安部井寛チーム統括本部長は外国人補強について「数名をリストアップしている」としたが、この日までに獲得リストの最上位にいるサンチェスと基本合意に達した。

 キューバ人の両親を持つ右打ちのサンチェスは卓越したパワーに加え、広角に打ち分ける技術を併せ持つ。マーリンズ時代の2010年途中に一塁のレギュラーに定着し、打率・273、19本塁打、85打点。翌11年はオールスター戦にも出場した。特に左投手に強く、右の対戦打率・238に対し左は・291。サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を3度獲得している現役最強左腕のドジャースのカーショーに対しても、11年の初対戦で本塁打を放つなど通算11打数4安打と打ち込んでいる。メジャー7年間で61本塁打、508安打。今季もパイレーツで123試合に出場するバリバリの現役大リーガーだ。

 また、マーリンズ時代の10年9月1日のナショナルズ戦では、のちにDeNAに移籍したモーガンの暴力行為から同僚を守った。メジャーでは大量得点差がついている場合は盗塁はしないという不文律がある中で、モーガンが11点差にかかわらず二盗、三盗を立て続けに決めた。これにマーリンズの投手がブラッシュボールで報復し、大乱闘に発展。一塁を守っていたサンチェスがモーガンをグラウンドに押さえつけた。そんな「熱い男」でもある。

 楽天にとって、新4番の獲得は急務だった。来日2年目となったジョーンズは今季、打率・221、24本塁打、71打点と昨季より大きく成績を落とし、今季限りで自由契約となった。チーム総得点(549)、チーム総本塁打(78)はいずれも12球団ワーストで、球団はオフに入って大砲候補を複数リストアップ。今月7日には立花陽三球団社長らが渡米し、米カリフォルニア州サンディエゴで行われたウインターミーティングに参加。過去にジョーンズ、ユーキリスら大物を獲得しており、今回もサンチェスの代理人と接触するなど獲得の足掛かりを得た。

 今オフはヤンキースから内外野を守れるユーティリティー選手のウィーラーを獲得し、今季途中に加入した巧打のラッツも残留の方向。今季限りで監督を退任した星野シニアアドバイザー(SA)も「ウチは右の強打者が少ない」と嘆いていたが、サンチェスも含めた右打者3人が打線に加われば確実に厚みを増す。

 ◆ガビー・サンチェス 1983年9月2日、米フロリダ州生まれの31歳。2005年ドラフト4巡目(全体126番目)でマーリンズに入団し、08年9月17日のアストロズ戦でメジャーデビュー。10年6月には打率・375、4本塁打、16打点でナ・リーグの月間最優秀新人を受賞。12年途中にパイレーツへ移籍し、今オフにメジャー昇格の前提となる40人枠から外れた。今季年俸は230万ドル(約2億6910万円)。1メートル85、107キロ。右投げ右打ち。

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