松坂 二刀流・大谷と対戦熱望「打つ方も 投げるスピードは生で」

[ 2014年12月6日 05:30 ]

背番号「18」のユニホームに袖を通し笑顔を見せる松坂。右は王会長

 ソフトバンク入りが決まった前メッツの松坂大輔投手(34)が5日、福岡市内のホテルで入団会見し、背番号18のユニホームに袖を通した。3年契約で、年俸総額12億円プラス出来高払い。9年ぶりに復帰する日本球界で対戦してみたい相手には日本ハム・大谷翔平投手(20)を指名。「投手」と「打者」、それぞれでの対戦を望んだ。また、チームの底上げのためならば、若手の「手本」ではなく日米通算164勝の巨大な「壁」になることも誓った。

 しばしの小考。直後に、松坂が口を開いた。日本で対戦したい選手はいるか、との問いかけに「大谷くんは見てみたいと思いますし、彼はバッターとしても優秀だと思います。対戦することも一つの楽しみだと思います」。予想外の「単独指名」だった。

 興味があるのは投打の対戦だけではなかった。「(大谷は)打つ方も素晴らしいと聞いていますけど、彼が投げるスピードは生で見てみたいと素直に思いました」。登板日しか、ベンチ入りしない先発投手が、生で見られる機会は唯一、投げ合う時だ。インターネットのニュースなど、限られた情報しか持ち得ない松坂だが、文字で伝わる情報だけでも高揚した。

 もちろん、勝てる自信が無ければ口にしない。11年6月に右肘手術を行ったが、その不安は拭い去った。「皆さんから期待されていることは十分、感じています。それに対して応えないといけない。応える自信もあるので日本に戻ってきました」。すでに11月中に日本の公認球を入手し、練習を開始した。01年の沢村賞など最多勝3回、最多奪三振4回、最優秀防御率2回。あまた獲得したタイトルも視野に入れている。「1年間、自分の持てるものを出せば、そういうものはついてくる」と胸を張った。

 交渉中、「若い選手の壁になってほしい。そうでなければこのチームの未来はない」と球団関係者が語った言葉に心を打たれた。「僕は凄く、責任を感じた。若い選手が乗り越えなければいけない壁だと思ってもらえるよう、自分はやらなければいけないとそう、思いました」。ただ、白星を積み上げるだけではない。1勝1勝が意味あるものにすべく、右腕を振り抜く覚悟だ。

 会見では一つ一つ、慎重に言葉を選んでいた。ただ、このチームを選んだ理由は、明快だった。「いろんな選択肢はありましたけど、最初から僕に対する獲得したいという信念が、全くぶれがなかった。世界一のチームを目指していくんだなというのを感じました。そこに僕は凄く、魅力を感じました。その一つのピースになれればいいと感じた」。9年ぶりの日本復帰は生半可な決断ではない。高いモチベーションでマウンドに上がり続け、日本一連覇の担い手になる。

 ▼巨人・村田 大御所が帰ってくるね。僕らの世代は大輔を目標にやってきた。対戦が楽しみです。また新しい形で野球界を盛り上げていければ。

 ≪松坂の入団会見≫

 ☆西武(98年12月28日) 球団の新人では85年清原以来、13年ぶりとなる単独での入団発表。会場の都内ホテルに報道陣268人が詰め掛けた。上下のユニホーム姿を披露し、1年目の2桁勝利や新人王を目標に掲げ「将来的には200勝を達成したい」。対戦したい打者にイチローを挙げた。

 ☆レッドソックス(06年12月14日) フェンウェイ・パークに詰め掛けた日米約400人の報道陣を前に、チームカラーの赤のネクタイで臨んだ。「ワールドチャンピオンになる力になれるように少しでも貢献できるようにしたい」と抱負。会見前にはマウンドでオーナー相手に「初投げ」も。

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