和田監督 藤浪に来季G倒託す V奪回の主役に指名

[ 2014年11月29日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルSの巨人戦で7回1失点の好投を見せた藤浪

 阪神・和田豊監督(52)が28日、来季G倒の主役に藤浪晋太郎投手(20)を指名した。今季は先発ローテーションの関係から、レギュラーシーズンでの巨人戦登板はわずか2試合だったが、クライマックスシリーズ(CS)ファイナル・ステージでは勝利。真のエースに成長させるべく、強力打線に挑ませる。

 虎のエースとして歩むべき道筋が、藤浪の前にはっきりと示された。さらなる飛躍が望まれるプロ3年目。そのために和田監督が選んだステージは、宿敵・巨人との対決だった。10年ぶりV奪回を厳命されている来季。G倒の担い手に、指揮官は藤浪を指名した。

 「今年もあえて外したということはない。全員をもっていくわけにはいかなかったからね。勝負所では投げていたし」

 言葉の端々に期待感がにじみ出ていた。1年目の13年は3試合で1勝1敗、今季もレギュラーシーズンでは2試合0勝2敗と巨人戦登板が少なかった。背景にあるのは、重点的に巨人戦で先発したメッセンジャー、能見とは別カードを主体にローテーションを回っていたこと。今季先発した2試合は、いずれもシーズンが佳境にさしかかる8月戦線だった。

 「ゲームをつくれる力があるのは証明してくれている」

 和田監督が着目したのは、CSファイナルステージのマウンドだろう。大事な初戦に抜てきされると、7回を6安打1失点。重圧をものともせず、堂々たる投球で巨人打線を封じた。来季も必ず、やってくれる―。敵地での快投に、指揮官がそう確信したのは間違いない。

 これも自然の流れかもしれない。今オフ。エースとして君臨してきた能見は、その座を藤浪に禅譲する考えを明かした。その能見こそ、ここ数年は打倒・巨人の象徴だった。今季途中で途切れるまで、追加日程分を除き足かけ3年14カード連続で先発。強力打線に真っ向から立ち向かう姿こそ、阪神の屋台骨を支えるのにふさわしい。来季、藤浪がそのポジションを任されることに、異議を唱えるものなど誰ひとりとしていないだろう。

 「誰もが巨人戦に投げたいと思えるようになってほしい。その思いが強ければ強いほど結果に出ると思うからね」

 大阪桐蔭時代から数々の大舞台を経験し、着実に結果を残してきた。巨人戦こそ新たな輝きを放つにふさわしい。

 ≪藤浪の巨人戦VTR≫

 ★13年 8月4日の東京ドームで初登板。6回6安打無失点で阪神の高卒新人では67年の江夏以来となる、巨人戦初登板勝利を飾った。続く9月7日の甲子園では自身初の1試合2被弾と精彩を欠いて、7回4失点で負け投手となり、大阪桐蔭時代から継続していた同球場での不敗が16試合(14勝)でストップ。10月5日甲子園では自己最多(当時)の8奪三振も勝敗なしだった。

 ★14年 ローテの関係でシーズン中の対戦は東京ドームでの2試合のみ。8月14日、28日のどちらも初回に失点する展開で2連敗を喫したが、10月15日のCSファイナルS第1戦(東京ドーム)では一転して6回まで2安打無失点の力投。7回1失点で、13年初対戦以来の“2勝目”を挙げた。

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