安楽“星野背番”20継承へ!強気発言連発 マー君は「ライバル」

[ 2014年11月24日 05:30 ]

楽天の山下スカウトから帽子をかぶせてもらい笑顔の安楽

 楽天からドラフト1位指名された157キロ右腕・安楽智大投手(18=済美)が23日、愛媛県松山市のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円、年俸1200万円で合意した。球団側は、星野仙一シニアアドバイザー(SA=67)が中日での現役時代につけていた背番号20を用意することが濃厚。安楽は会見で強気な発言を連発するなど、早くも「燃える男」と呼ばれた闘将をほうふつさせた。

 燃えたぎる野心を迷わず言葉にした。虚勢を張っているわけではない。自らの可能性を純粋に信じているからこそ、安楽は楽天の元エースで、今季ヤンキースで活躍した田中への思いを堂々と明かした。

 「常に憧れの存在です。ただ、いつまでも憧れと思っていてはダメ。プロでやるからにはライバルになる。もちろん、超えたい存在です。昨季の24勝も、決して成し遂げられない数字ではないと思っています」

 両親とともに臨んだ入団交渉。短髪の学生服姿の18歳は、契約金1億円と書かれた統一契約書を見た時の心境を聞かれ「びっくりしました」とはにかんだような笑みを浮かべた。だが、初々しい高校生らしさを見せたのはそこまで。「自分で将来性を買われていると思うと成長が止まる。1年目だから(活躍できなくて)いいとは思っていない」と言うと「1年目から開幕ローテーションを目指したい」「1年でも1日でも早く楽天のエースになりたい」、さらには「日本で1番は安楽だと誰もに認められるような投手になりたい」と強気な発言を連発した。

 その自信の背景にあるのが、右肘の状態。2年生だった昨春のセンバツでは準優勝したが、昨秋に右肘を痛めて以降は本来の調子を取り戻せず、甲子園から遠ざかった。だが、現在は順調に回復。21日には後輩を相手にシート打撃に登板。捕手を座らせて投げるのは、今夏の愛媛大会3回戦で東温に敗れて以来、4カ月ぶりだったにもかかわらず「145~146キロが出ました」という。

 球団は昨季のドラフト1位・松井裕と並んで将来のエース候補である157キロ右腕に対し、背番号「20」を用意することが濃厚だ。今季限りで監督を退任した星野SAが現役時代に中日のエースとしてつけた背番号である。昨春のセンバツでは5試合で772球も投げながら決して弱音を吐かなかった。その姿は、現役時代に巨人など強い相手に闘志をむき出しにして立ち向かった星野SAと重なる部分もある。

 新人の背番号は来月1日に仙台市内で行われる「新入団選手発表会」で正式に発表される予定。安楽は9月に死去した上甲正典前監督(享年67)には「厳しい世界で活躍できるように頑張ると報告したい」と言った。星野SAの現役時代と同じ背番号をつけ、大投手への道を歩きだす。

 ▽星野仙一と背番号20 1969年に明大から中日にドラフト1位で入団した星野は2年目まで22だったが、3年目の71年から20に変更。それまで杉下茂、権藤博らがつけた中日のエース番号を受け継ぎ、74年に沢村賞を獲得するなど活躍した。引退する82年まで12年間背負い、通算で146勝をマーク。監督になってからは、敵将として巨人でV9を成し遂げ、尊敬していた川上哲治氏の監督時代と同じ77をつけた。

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